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豚コレラにかかったイノシシを食べてみたい・・・ 記者がリポート

問題ない個体をおいしく

 カモやシカといった野生鳥獣肉(ジビエ)料理を愛する記者(39)にとって、1年ほど前から愛知県内の野生イノシシから豚コレラ(CSF)が検出されているのは悲しいニュースです。罹患(りかん)した可能性が高い個体は見つかり次第、殺処分されます。とはいえ人には感染せず、食べても問題ない病気。ならば捨てるのはもったいない。「CSFにかかったイノシシを食べたい」。県の担当課に申し出てみると-。 (清水裕介)

 県庁の西庁舎にある農業振興課。担当者に肉のありかを聞いたが「ありませんよ」と困惑顔をされた。「運搬の過程で、肉についたウイルスが拡散するかもしれない。検査に回された個体は、その場で処分します」。なるほど。確かにブタやイノシシにとっては、怖い病気。記者のエゴで、食べるわけにもいかない。

ししまぶしを手に笑みを浮かべる原田さん=愛知県新城市で
ししまぶしを手に笑みを浮かべる原田さん=愛知県新城市で

 「イノシシで活性化を図っている地域もある。イノシシが田畑を荒らす場合もあり、問題のない個体は、ぜひ活用をしてほしい」と担当者。そこで食肉処理施設の1つ、同県新城市矢部の三河猪家(ししや)に併設の食堂「ししや」にお邪魔した。

 ウッド調の趣ある店内で「ぼたん鍋」(税別3000円)を頂いた。赤みそと西京みそで仕立てたスープで、薄くスライスした肉に火を通す。脂の甘みが強く、臭みはほぼ感じなかった。

 食堂は地元育ちの代表取締役、原田民夫さん(70)が10年ほど前「慣れ親しんだイノシシを名物にしたい」と開業。香ばしく焼いてひつまぶし風にした「ししまぶし」(同1700円)などのメニューもあり、にぎわった。だが県内でCSFが見つかると、状況は一変。売り上げが半減した。「ショック。もっと早く、ワクチンの餌を散布してくれれば」と寂しそうに話す。

ぼたん鍋を仕上げる瀬上さん=名古屋市港区で
ぼたん鍋を仕上げる瀬上さん=名古屋市港区で

 名古屋市港区甚兵衛通の鍋・串料理店「隠れ屋」も訪れた。ぼたん鍋(同2800円)は3種類の白みそをブレンドしたスープで、県内産のぷりぷりした肉が合う。オーナーの瀬上裕之さん(43)は行政が風評被害対策で、豚コレラを「CSF」「豚熱」と次々と変更していることに触れ「名前を変えるより、安全性をアピールして」と要望する。

 「CSFの影響で、材料が調達できなくなった商品がある」と話すのは、フランチャイズ(FC)でカレーハウスCoCo壱番屋を十数店展開するワイズ(名古屋市)の社長山本庸司さん(67)。

 イノシシ肉と壱番屋のソースを使ったレトルトカレー「猪肉キーマカレー」と「猪肉和風カレー」を販売しているが、肉は同県豊田市産。同市のほぼ全域が、過去の発生地点から10キロ圏内のため、野生イノシシの肉の譲渡や流通ができなくなっている。現在の在庫がなくなれば、販売を中止せざるを得ないという。

イノシシを使ったレトルトカレーを紹介する山本さん=同県小牧市で
イノシシを使ったレトルトカレーを紹介する山本さん=同県小牧市で

 山本さんは、野生イノシシの流通に関わる人たちへの思いを込めて言う。「猟師や処理業者さんがしょんぼりして、その顔を見るのがつらい。(生産が)また再開できたらうれしいし、ぜひ応援してほしい」。ジビエ好きの記者も、一刻も早い沈静化を願う。

(2020年1月20日)

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