オピ・リーナ opi-rina
menu
オピ・リーナ opi-rina
ニュース 中日新聞ニュース

女性アスリートとメーク いまだ精神論

心も体もきれいで強かったら幸せ

 競技へのストイックさが求められやすいスポーツ界で積極的にメークをし、パフォーマンス向上を目指す女子選手が増えている。競技をするのに見た目の美しさはいらないという昔ながらの精神論が根強く残る中、「アスリートだってメークやおしゃれを楽しんでいい」と、自ら声を上げる選手やそれを後押しする人が現れた。 (兼村優希)

 「本気になるイコール女を捨てることだった」。大学までバドミントンに打ち込んだモデルの花田真寿美さん(32)は、インターハイ常連校だった高校3年間、角刈り姿でにきび顔だった。おしゃれに興味があったのに、「絶対に化粧とかをしてはいけない雰囲気」に押され、泣きながら髪を刈り上げた。

 花田さんは3年前から「アスリートビューティーアドバイザー」という肩書で、五輪やパラリンピックを目指す選手らのメークの手ほどきや身だしなみ講座を開く。「見た目に自信が持てると、自己肯定感が上がり、結果にも良い影響を及ぼす」と考えるからだ。

 当初、実業団などを営業で回ると、「(化粧するのは)集中していないことになる」「負けたときに何を言われるか分からない」などと拒まれることもあった。また、講座に来て「きれいになりたいということさえも、ここで初めて言います」と打ち明ける選手もいた。花田さんはより多くの理解を得ようと、昨年から中京大(愛知県)と協力し、メークがパフォーマンスや心理状態に及ぼす変化を検証している。

 メークの効果に言及する女子選手も増えている。空手組手の植草歩選手(JAL)は、きらびやかなネイルとつややかな髪がお気に入り。「武道をやってる女子がおしゃれしてもいい。自分のモチベーションになって内面もきれいになるし、心も体もきれいで強かったら幸せ」と言い切る。

メークした姿で写真に納まる高梨沙羅選手(中)=昨年10月、札幌で
メークした姿で写真に納まる高梨沙羅選手(中)=昨年10月、札幌で

 スキー・ジャンプの高梨沙羅選手(クラレ)は、20歳ごろから「言動に気を付けなければ」と考え、身だしなみに気を使うようになった。丁寧なメークはオンとオフの「スイッチを入れる瞬間」という。

 パラ卓球のレジェンド、別所キミヱ選手(ドマーニ卓球クラブ)も「メークすることで自分の気合が上がる」と強調。「試合は必死で険しい顔になるから、少しでも優しい顔になろうとピンク色を入れている」とほほ笑む。

 一方で、「おしゃれにうつつを抜かすな」という精神論はいまだにはびこっている。インターネット上では、メークを始めた選手をやり玉に挙げ、否定的な意見が飛び交うこともある。

 そうした風潮に昨年11月、「女性アスリートが求められる"純朴"さ」と題したネット記事を引用する形で、多くの選手が会員制交流サイト(SNS)で反論した。バドミントンの奥原希望選手(太陽ホールディングス)はツイッターで「普通の一女の子としてオシャレしたいとか、可愛(かわい)くいたいとか、好きなものに囲まれたいとか思ってそれを実現したら・・・全て『調子に乗ってる』となるのでしょうか」と記した。

 今年は東京五輪・パラリンピックが開催され、アスリートに注目が集まる。海外ではモデルと二足のわらじで活躍する女子選手も存在する。「一般の人が普通に楽しんでいることを、何でアスリートがやってはいけないのだろう」と花田さんは疑問を口にする。

(2020年1月14日)

<< 前の記事 次の記事 >>

News 中日新聞ニュース

Today's Fotune 今日の占い

Mail Magazine 登録無料

下記フォームより
メールアドレスの登録を行ってください

> 登録 >>メルマガについて
ページトップに戻る