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"賞味"期限切れ、安値で販売

大阪の店舗で人気に 期限の判断は消費者自身で

賞味期限切れの商品が低価格で購入できる店舗「eco eat」=大阪市福島区で
賞味期限切れの商品が低価格で購入できる店舗「eco eat」=大阪市福島区で

 食べ物の賞味期限をうっかり切らしてしまった、という経験は誰でもあるだろう。ただ、賞味期限は「おいしく食べられる」期間の目安。過ぎたからとすぐに捨ててしまうのはもったいない。賞味期限切れ商品をお値打ち価格で販売し、食品ロスの削減につなげている店もある。(河郷丈史)

 大阪市で4月にオープンした食料品店「eco eat(エコイート)」。山積みにされていたフランス産のリンゴのコンポートジュースは賞味期限が10日ほど過ぎていた。価格は50円で、通常の4分の1。記者が買って飲んでみると、リンゴのさわやかな風味が口に広がった。

 約30坪の売り場には缶詰やインスタントラーメン、レトルトカレー、ペットボトル飲料などさまざまな食品がずらり。ほとんどが賞味期限切れか間近で、中には1年以上過ぎたものもある。値段は10円台から数百円ほどだ。

 時々来るという市内のパート従業員の女性(49)は「安いし、まだまだ食べられる」とコーヒー飲料などを買い込んでいた。

 運営するのは、NPO法人「全国もったいない市場」(大阪市、9月に「日本もったいない食品センター」に改称予定)。全国の小売店や卸売店、メーカーなどから期限が近づいたり、切れたりした食品を安く買い取ったり、無料で引き取ったりして販売。食品を福祉施設や生活困窮者へ寄付している。

 国は賞味期限内での販売が望ましいとしているが、代表理事の高津博司さん(41)は「期限切れでも『ちょっと味見してから』となれば、捨てられる食べ物が減るはず」。年内に大阪、兵庫、高知の3カ所に新店舗をオープンする計画だ。

 世界の茶葉を扱う「ルピシア」(東京)が展開する「ルピシア ボンマルシェ」の代官山店は昨年1月から、賞味期限切れの商品を一律20円で販売。すぐに売り切れるほどの人気で「一人3点まで」に制限している。

 ルピシア ボンマルシェは「もったいない」をコンセプトに2008年に開店。期限間近な食品などを全国の食品メーカーや商社から買い取り、廉価で販売。食品ロスが問題となる中、代官山店に限り、期限切れ商品も対象に加えた。

 運営するルピシアグルマン相談役の中江昭英さん(64)によると、ロス削減の取り組みとして好評で、新規の客も来店し、売り上げが増えたという。

 食品表示法では加工食品に原則、賞味期限と消費期限のどちらかの表示を義務付けている。

 賞味期限はスナック菓子やインスタント食品、缶詰、飲料など劣化が比較的遅い食品で、各メーカーなどが設定。安全性ではなく、おいしく食べられる期限で、過ぎても、食べられなくなるわけではなく、いつまで食べるかの判断は消費者に委ねられている。

 日本食品分析センター(東京)の元職員で、期限表示に詳しい氏家隆・中部大客員教授(70)によると、賞味期限は余裕を持たせて設定されているが、「直射日光を避ける」「未開封」など商品の保存条件を守ることが前提。開封したり、高温多湿な状態で放置したりすれば、期限内でも傷む。

 主ににおいや味、見た目などで判断し、少しでも違和感があれば、無理せずに捨てる、という選択も大切だ。

 一方、消費期限は、弁当や総菜、サンドイッチなど数日で傷む食品が対象となる。安全性の観点で製造業者などが設定し、期限を越えたものは食べない方がいい。

(2019年8月1日)

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