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高校球児に広がる「脱丸刈り」

選手の反応は上々 愛知でも部員増に効果

丸刈りから、少し髪が伸び始めた多治見高校の選手たち=岐阜県多治見市で
丸刈りから、少し髪が伸び始めた多治見高校の選手たち=岐阜県多治見市で

 高校球児に"脱丸刈り"の動きが広がっている。背景には、髪形を一律に強制するのは「過去の遺物」と考える指導者が出てきたことに加え、少子化による部員不足を少しでも食い止めたいといった事情があるようだ。(斎藤航輝)

 2017年春の選抜甲子園に出場した岐阜県多治見高校野球部はこの春、丸刈り以外の髪形も認めるルールを作った。これまで丸刈りが不文律だったが、「長髪でなければ、丸刈りでなくてもいい」と明文化した。

 主導したのは神奈川県の名門、東海大相模高校出身の高木裕一監督(57)。昨夏の甲子園で慶応義塾高校(神奈川)の選手が「野球部だから丸刈りにするという発想がない」と話したのをテレビで見たのがきっかけという。

 監督自身、高校の時は丸刈りだったが、他チームの強豪選手を含め、皆が同じ髪形だったことに違和感を抱いていたという。「丸刈りは昭和の遺物」と思い立ち、部長や保護者らと協議。「令和という新しい時代。もう丸刈りじゃなくてもいい」と選手に伝えた。ただ、「チームメートに不快感は与えないこと」として染色や整髪料の使用は控え、1カ月に一度の散髪を心掛けることもルールに加えた。

 選手らの反応はおおむね上々だ。「やったと思った」。3年の長谷川選手は、伸びかけの髪をなでながら照れくさそうに笑う。小学生のころから野球を続けてきたが、「高校野球といえば丸刈り。先輩もいるし、仕方ない」と入学時にバリカンを入れた。

 丸刈りを嫌って野球をやめた友人もいる。それでも、練習試合で強豪校と対戦する際は「帽子を取るのが少し恥ずかしい。挑戦者として丸刈りにそろえた方がいいかも」と迷いものぞかせる。

 日本高校野球連盟によると、硬式野球の部員数は2014年の17万312人から、今年5月末で14万3867人と減り続けている。同県高野連の小森和憲専務理事によると、県内では部員不足に悩む公立高を中心に丸刈りにこだわらない高校が少しずつ増えている。

 そもそも、なぜ丸刈りか。小森専務理事は「昭和の終わりごろまでは、丸刈りが校則の学校も珍しくなく、球児にも影響したのでは」と推測する。とはいえ、甲子園出場回数を誇る伝統校は今も丸刈りが主流。「丸刈りであってもなくても、事情に応じてやってほしい」と話す。

 私立菊華高校(名古屋市守山区)も昨秋、丸刈り以外の髪形を認めた。兵庫県の名門・報徳学園高校の主将として選抜大会で優勝し、監督として三重県の日生学園第二高校(現青山高校)を甲子園に導いた渋谷渉監督(62)が「坊主にしたから、野球がうまくなるわけでもない」と決めた。

 多くの部員はスポーツ刈りで、工藤主将(3年)は「前から髪を伸ばしたかった。プレーや気持ちは髪形で変わらない」と話す。ただ、入部間もない1年生は、高校野球の雰囲気を経験するため、一度は丸刈りにするという。

 愛知県岩倉総合高校(愛知県岩倉市)も今春から、新入部員の勧誘時に「丸刈りにしなくてもよい」と強調している。部員は計13人。これまでも丸刈りは強制でなかったが、部員数を増やすため、入部の抵抗感を和らげようと、"脱丸刈り"を打ち出した。

 2、3年生7人が全員丸刈りに対し、1年生は6人のうち1人だけ。発案した古沢剛監督(41)は部員増に「多少の効果はあったのでは」と話した。(豊田直也)

(2019年7月11日)

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