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「不登校」呼び方替えよう!

社会派アイドル「行かない選択、前向きに」

「不登校」を新たな用語に替えようと活動している制服向上委員会の橋本美香さん=東京都武蔵野市で
「不登校」を新たな用語に替えようと活動している制服向上委員会の橋本美香さん=東京都武蔵野市で

 社会派アイドルグループ「制服向上委員会」が、「不登校」に代わる用語を募っている。不登校との言葉で浮かぶ負のイメージから、学校に行かなくなったり、行けなくなったりした子どもたちを守りたいとの思いからだ。(北條香子、芦原千晶)
 
 きっかけは、不登校のメンバーがフリースクールに通えるよう、グループで手助けしたことだった。
 
 グループは1992年に結成し、OGも含めて活動。会長を務める橋本美香さん(39)は「私なんてどうせ不登校だから」とふてくされたように話すメンバーの姿が気になった。一時、学校に通わなかった経験のあるプロデューサーが「それだけで不良と見なされるのが嫌だった」と話していたのも聞いた。
 
 「不登校という言葉では悪いことをしたかのようなレッテルを貼られ、余計に学校に行きづらくなってしまう」。そう考えた橋本さんは、学校に行かない選択も前向きに捉えられるような呼び方に替える運動に取り組み始めた。
 
 新用語案を4月から、グループ事務所宛ての手紙やメールで受け付けている。集まった案を識者を交えて検討し、10月に東京でのイベントで発表する予定だ。新用語によせて曲もつくり、子どもたちと一緒に歌う構想もあたためている。
 
 応募先は制服向上委員会のホームページを参照。クラウドファンディングで、イベント開催費用など250万円も集めている。
 
 新しい用語は慎重に選ぶべきだとの意見もある。
 
 「不登校に、なりたくてなる子はいない。」との著書がある金沢こども医療福祉センター・金沢療育園の上野良樹施設長(小児科医)は「例えば『在宅就学』とした場合は『行けない』ではなく『行かない』印象で、子どもの実情にはそぐわない」と指摘する。「替えるとしても、学校に行けないことに、子どもが苦しんでいる意味合いを含んだ言葉であるべきだ」と話す。
 
 学校現場の問題に詳しい内田良・名古屋大准教授(教育社会学)は、「登校拒否」から「不登校」という言葉が使われるようになった経緯に触れ「さらにもう一歩柔らかい用語にする試みは、学校に行けない当事者側からみると画期的」と評価。不登校を問題行動と呼ばない動きと合致すると見るが「いじめや貧困といった多様な理由や背景がある。言葉が柔らかくなっても、学校や行政はそこを改善する責任を果たしてほしい」と注文した。
 
 文部科学省の学校基本調査では、年間30日以上欠席している児童生徒を「不登校」とする。最新の2017年度の調査では、不登校の小中学生は全国で約14万4000人で、過去最多となった。
 
 不登校問題は1990年代初めから注目を集めた。当初は学校嫌いが原因との見方が強く「登校拒否」と呼ばれた。その後、友人関係や進路への不安など、さまざまな事情が背景となっていることへの理解が進み、教育界を中心に呼称が徐々に「不登校」に切り替わった。文科省もそれにならい、98年から「不登校」を使っている。
 
(2019年6月11日)

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