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子どもの「防災力」養う教材

自ら身を守れるように

教材を広げ、危険な場所について話し合う園児たち=東京都武蔵野市で
教材を広げ、危険な場所について話し合う園児たち=東京都武蔵野市で

 いつ、どこで起きるか分からない災害。幼い子がたまたま親と離れたところにいるときに、被災するかもしれない。そんな事態に備えて、被災時に危険に巻き込まれる可能性が高い場所を子どもが自分で考える力を養う教材が開発された。作製した日赤は「大人に導いてもらうだけでなく、子どもが自分の身を守る行動ができるように役立ててほしい」と期待している。 (花井康子)

 「この絵のどこが危ないか分かるかな」

 東京都武蔵野市にある武蔵野赤十字保育園の4歳児クラスで、8月末に開かれた防災の授業。クラス担任の田村智子さん(27)が、地震で被災した園の教室の絵を広げた。参加した21人の園児たちはグループに分かれて話し合った後、「時計が落ちてくるかも」「この子は机の下に隠れてるから大丈夫」と発表し合った。

 絵は、未就学児を対象にした防災教材「ぼうさいまちがいさがし きけんはっけん!」の一枚。日赤が防災の啓発活動などをするNPO法人プラス・アーツ(神戸市)と開発し、8月に全国の関連幼稚園や保育所など約1600園に無料配布した。

地震発生時の園の様子が描かれた「問題用」シート(日赤提供)
地震発生時の園の様子が描かれた「問題用」シート(日赤提供)

 教材は、A1判のシートに地震や津波、大雪などに見舞われた街や園の様子が描かれている。災害ごとに「問題」と「答え」のシートがあり、まず、先生らが問題を見せて子どもたちに危険な場所を探させる。子どもたちが意見を発表したら、答えのシートを見せて、どこが、なぜ危険なのかを答え合わせする。

 平常時の街並みと被災した街の絵を順に見せ、まずは自分たちの住むところと比べて、大きな川があるなど、自然環境が似ているところを探す。続いて、川の近くにいるときに災害が起きると、どんな危険が迫ってくるか、絵を見ながら説明するなどして、災害時に「どんな行動をすると、どうなるのか」を学習できる。

 教室内を描いたシートは、幼児の目線で考えられるように、棚やピアノなどの高さと子どもの身長の差が分かるように描いてある。日赤の青少年・ボランティア課長の藤枝大輔さん(43)は「子どもが自分で自分の命を守れるように作ってきた。大人と一緒に考え、知識を身に付けてもらいたい」と力を込めた。

 これまでの幼児向け防災授業は被害だけを示したり、紙芝居などでストーリーを聞かせたりする内容が多く、保育園や幼稚園の関係者らには「子どもが能動的に考える機会があまりない」などの声もあった。災害の映像を見せると、子どもには衝撃が強すぎることもある。指導した田村さんは「月に1回、地震を想定した避難訓練をしてきた。この教材と併用すると、子どもたちがより主体的に危険な場所を把握することができる」と期待する。

 子どもの防災に詳しい防災&情報研究所(東京都)代表の高梨成子さんは「子ども自身が全体の状況を把握して危険を予測し、安全な行動を考えることが大切。描かれた風景を家の中に置き換えると家庭でも使える」と話す。

 教材は、プラス・アーツの ホームページ(HP)から1セット4104円(別途配送料が必要)で購入できる。日赤のHP からは、A3判のデータが無料でダウンロードできる。

(2018年9月21日)

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