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映画パーソナリティー☆松岡ひとみのシネマレポート!

日仏合作映画『よこがお』 伏見ミリオン座に主演の筒井真理子さん、深田晃司監督が登壇!

2019年8月 2日 11:50 | コメント(0)

7月26日に公開した全世界待望の深田晃司監督の新作「よこがお」の公開記念舞台挨拶が、

梅雨明け間近の7月28日(日)に伏見ミリオン座にて開催されました。

 

2016年公開作品「淵に立つ」でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督審査員賞を受賞し、

世界中から注目を集めた若き鬼才 深田晃司監督の新作「よこがお」

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ある事件をきっかけに、「無実の加害者」へと転落し、身に覚えのないことで不利な状況に陥る、人生の不条理に立ち向かう主人公の生き様を描き出した本作。

8月7日(現地時間)からスイス・ロカルノで開催される第72回ロカルノ国際映画祭 国際コンペティション部門に正式出品されることが決定しています。

深田晃司監督は浅野忠信主演の「淵に立つ」でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督審査員賞を受賞しており、世界中で注目されている監督なのです。

その「淵に立つ」で国内の主演女優賞を総なめにした筒井真理子さん。

筒井さんの「よこがお」があまりにも美しく、この「よこがお」という映画の企画がスタートし、再びタッグを組むことになりました。

タイトルの「よこがお」とは、人間の半分は見えるけど、半分は隠れている状態。

人間の本質、見えない感情の部分を少しずつ浮き彫りにしていくというヒューマンサスペンスです。

 

だれにでもおこりうる人生の不条理

訪問看護師をしている市子が通う大石家。市子は献身的な仕事ぶりと温厚で面倒見の良い人柄で周囲から信頼されていました。

社会になじめない大石家の長女の基子が介護福祉士になるための勉強もみてやっていた市子。ある日、その基子の中学生の妹が失踪してしまう事件が起こります。

市子はこの事件への関与を疑われ、マスコミやSNSによるねじ曲がった事実や予期せぬ裏切りによって、仕事も、結婚も破談になってしまいます。全てをなくした市子は

その状況を受け入れることしかできなく、「リサ」となって、小さな復讐を企てていく。

 

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冒頭はリサが美容院で髪をカットするシーンからはじまりますが、観る者はなにかしらの違和感を感じます。

構成によって立体化された物語は現在、過去を行き交い、過去になにが起きたのか、そして現代のリサがなにがしたいのか、少しづつ明らかになっていきます。

 

マスコミやSNS、一人の人間の裏切りのねじ曲がった情報によって、被害者に近い彼女が加害者になってしまうという不条理を描いていくのですが、

彼女が何をしたのか、どのようにこの事件に向き合っていたのかは鑑賞する側はみているので、奈落の底に落ちていく彼女をみるのがとても辛く、怒りすら覚えます。

怒り、悲しみ、苦しみ、恐怖、など多彩な感情が胸中に残り、観賞中に叫びたくなってしまう!

 

そんな私の感想を含めて、舞台挨拶の前に監督にお話を伺いました。(映画情報誌C2の川本編集長との合同取材)

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天才的なセンスを持つ筒井真理子という役者について。

「この映画は脚本を書き出す前に、筒井さんに出演OKをいただいたのです。

映画は一人で作る物ではないので、あの最高の演技者である筒井さんがOKをだしてくださったことで、

きっと筒井さんなら無理難題でもやってのけてしまうだろうと、自由に脚本を書くことが出来ました。

中年になるとなんでも野球に例えるといいますが(笑)名古屋でのインタビューということで愛知出身のイチローに例えます。

筒井さんもイチローと同じタイプの天才だと思います。

第三舞台で培ったセンス、そのたしかな演技力は誰もがしっていますが、

筒井さんは加えて準備を完璧にされるんです。脚本にもびっしり書き込みがあり、取材もする。

筒井さんいわく、準備をするのは、本番に自由に演技をしたいから。それはとても僕も共感できることです」

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 今、流行の”応援上映?!“

 

ー見る側としては、事件の発端を知っているので、事件後の報道など主人公の市子のコントロールできないところで流れが悪い方にむいていく中、

途中でもう、なんとかして、これ以上市子を虐めないでと叫びたくなってしまいました!

「いい反応ですね。それは今流行の発声上映とかしたら面白いですね。『市子、後ろ!』とか『いま話すんだ!』とかね」

 

ー筒井さんが承諾してから、脚本はスムーズにすすんだのでしょうか?

「筒井さんで当て書きしたある意味“共作”のような作品になりましたが、いざ脚本をかきはじめると(いつもそうですが)二転三転しました」

「3人の女性、市子、基子、市子の妹道子の話からスタートしたんです。3人の女性の運命を描いた『めぐりあう時間たち』(2002年製作/ニコール・キッドマン、メリル・ストリープ、ジュリアン・ムーア出演作)のようなイメージです。しかし、もともとは筒井さんと仕事をしたいというところから始まっているので、市子にフォーカスしていく流れに変わって行きました」

 

脇を固める若き名優達

 

ー池松壮亮さん、市川実日子さんの起用についておしえてください

「池松さんとは初仕事になります。池松さん演じる和道は、脚本が進む中でオファーしました。薄っぺらいキャラクターで、何もわからないまま市子(リサ)に巻き込まれていく。チャラい感じでよいとおもっていたのですが、市子の過去のエピソードが強烈なので、脚本の(役の)イメージをうまく裏切ってくれそうな人を起用したいと思っていました。

池松さんはぴったりで、年齢詐称しているのでは?とおもうくらい、落ち着きがありましたね。軽薄なキャラを更新して、筒井さんとならんでも年齢差を感じさせない方でした」

「市川さんも初めてお仕事しました。市子に憧れを抱く基子という役は、筒井さんと対峙する役でもあるので、演技力も存在感も一番筒井さんと向き合える人を探していました」

 

「よこがお」というタイトルが(仮)だったワケ

 

ー元々、筒井さんのよこがおが美しいということが発端ですから、美しいな、と思った瞬間は何度かありましたか?

「そうですね、何度もありますよ。表情が豊かだなぁといつも感心していました」

「最初、『よこがお』は(仮)だったんです。でもなんだかタイトルの呪縛なのか気づくと横顔のショットが多いような気がして、宣材写真も横顔がたくさん撮られていたので、これはタイトルが『よこがお』にならなかったら、まずいんじゃないかなと思い始めて(笑)、色々考えて最終的に『よこがお』に決定しました」

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最後に、監督は映画製作についてこう語りました。

「観客の想像力を刺激していきたい。

『よこがお』にも、例えば現実と空想があい混ぜで、見る側の想像力を必要とするシークエンスを残しました。

映画作りにおいては“余白”はいつも持っていたい。いかに余白を作っていくか。そしてお客さんの想像力の中で完結すればいいです」

 

今後の日本映画について大切なこと

 

「ヨーロッパは、アート映画とジャンル映画が共存できる環境を整えています。助成金もでるし業界内でお金がまわっています。

日本は、経済至上主義的なので売りやすい映画、売れやすい映画、共感しやすいものがより生き残れる。でもそれだけでは多様性は育たないので、

作家がただ作りたいと思えるものを作れる、そんな環境作りを僕らの世代で作れればいいなと思っています」

 

この後すぐに、伏見ミリオン座の1スクリーンにて筒井真理子さんと深田監督の舞台挨拶。

 

司会の私が、ご登壇は映画上映後ですと筒井さんに話すと、「あら〜安心してネタバレができますね」とホッとした様子でした。

 

ベテランの大女優さんなので、粗相のないようにしなくちゃと

思っていたら、気さくな方であの豊かな笑顔にすっかりとりこになってしまいました!

 

名古屋とは縁の深い筒井さんと深田監督

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舞台挨拶では、筒井さんのお姉様が名古屋に住んでいることを明かしてくださいましたので、今日はこちらにお越しになっているのか?とお聞きすると、

「いると緊張するので、知らせないようにしています。舞台でも身内がいると緊張するんですよ」と、意外な答えがかえってきました。

そして、監督に日焼けの理由を聞くと現在、メーテレのドラマの撮影真っ只中だそうで、初の連ドラ挑戦ということでちょっとPR。

「本気のしるし」というドラマで10月からスタートです。中部地区の方は必見ですね!

https://www.atpress.ne.jp/news/186170 (本気のしるし)

 

「天才役者」と監督を唸らせた筒井さん、準備周到とは聴いておりましたが、

全編出ずっぱり(例えれば100シーン中99シーンはでている)だった撮影の感想をお聞きすると

「撮影の日は家に帰ってバタンキューでした」そして

市子とリサという一人の女性の二面性を演じるのに工夫したことがあるという筒井さん。

 

「全部時系列では撮ることが出来ないので、(スケジュール上)市子が元気な時、落ち込んでいる時、その感情を花びらに例えてメモをしていました。

このシーンは元気な市子なので水をたくさん飲もう!ここは落ち込むシーンだからご飯を抜こうとか。花びらを書いていたんです。」と撮影をふりかえっていました。

 

上映後の舞台挨拶と言うことで、会場からの質疑応答時間を設け、たくさんの方が手を上げてくださいました。

両名のファンだという男性からの質問&お願い事?!が面白く、「ポスターもチラシもなにもみないで映画を観たので、いつも隣のおばさんのような感じででてくる筒井真理子さんが、アップで登場した時はビックリしました。

『淵に立つ』も、『よこがお』も恐い映画なので、『歓待』のようなコメディをぜひお二人で作ってください」。それを受け筒井さんは「隣のおばさんというのは褒め言葉です。嬉しいです!」と微笑み、監督は「コメディを筒井さんとやりたいんですよ」と、次回作をほんの少しだけ匂わせた?!

 

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名古屋での舞台挨拶はとても優しい空気に包まれお客様も大満足。

ロビーでのサイン会もたくさんの方にお越しいただきありがとうございました。

 

 

改めて深田監督は、天才だと思う。

80年代生まれってことは30代後半。もうすぐ40歳ですね。

池松さんのことを年齢詐称というけれど、監督のその構成力、演出力、オリジナリティは超ベテラン監督に引けをとりません。

特に監督の作品で好きなところは「何も起こっていないのにものすごくスリリングなとこ」そして「なにかが起きてからとラスト、物事の方向が決まってからの見せ方が

全部違うだから飽きないし、次はどんな手でくるのか自然に期待してしまう。サスガだなぁと思います。

 

 

一人の女性が、逆境を受け入れしなやかに強く生きる姿に勇気がもらえる

『よこがお』は伏見ミリオン座ほかにて公開中

公式ホームページはこちらです。

 

映画『よこがお』https://yokogao-movie.jp/

(C)2019 YOKOGAO FILM PARTNERS & COMME DES CINEMAS

 

 

 

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松岡ひとみ

松岡ひとみ
レポーター、テレビタレントを経て、2010年から映画パーソナリティとして活動。東海地区を中心に、新作映画のみならず旧作から自主映画、短編映画まで取材し、テレビやラジオ、雑誌など各媒体で紹介。また、新作映画の舞台挨拶・記者会見の司会など、東海地区を中心とした映画イベントシーンにおいて欠かせない存在で、通称「映画のお姉さん」。様々な監督との交流も深く、日本各地で映画監督が主催の映画祭に行くことが趣味。
“映画伝道師”として多くの方に映画を愛していただけるような人になるのが夢です!

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