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映画パーソナリティー☆松岡ひとみのシネマレポート!

今泉力哉監督×岸井ゆきの 映画「愛がなんだ」初日インタビュー

2019年4月23日 10:15 | コメント(0)

 

 

4月19日、伏見ミリオン座グランドオープンには、おすぎさんと戸田奈津子さんの他に

スペシャルゲストが来館されました。

 

4月19日に初日を名古屋でむかえた「愛がなんだ」の今泉力哉監督と岸井ゆきのさん。

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初めましてのようで初めてではないお二人。世間話的なことで時間をとってしまいまして、後半スピードアップしてお聞きしました(笑)

ああ、時間がたりません・・

お聞きしたところによると、今泉監督は名市大卒業なので、4年間は名古屋に住んでいたそう。そして

旧ミリオン座はもちろんシネマスコーレ、シネマテーク、今はなきシルバー&ーゴールド劇場にも通った大学4年間だったそうです。絶対、映画館でお会いしていますよね〜なんて世間話。

しかし、上記の映画館がお好きということは、監督の好みはわかりましたぞ。

 

 

岸井さんとは、3年前に「おじいちゃん、死んじゃったって。」の森ガキ侑大監督と主演を務めた岸井さんが菊池映画祭(現在は熊本復興映画祭)にいらして、その時にお会いしました。あまりお話はしていないんですけどね。

菊池映画祭は、映画監督の行定勲さんがディレクターを務めており、

行定さんの「ピンクとグレー」に岸井さんが出演していたのです。

その前から、大注目の女優さんでしたし、朝ドラ「まんぷく」でもさらにファンになってしまい、今回お会いできてよかった。

 

とにかく、この映画は映画人からも大評判で、東京国際映画祭でご覧になったかたも多いと思いますが、

満を持しての劇場公開となったのです。

 

 

原作は直木賞作家 角田光代さんの同名小説

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©2019映画「愛がなんだ」製作委員会

直木賞作家 角田光代(かくたみつよ)の2003年に発表した小説の映画化「愛がなんだ」

ひとめぼれした青年に常軌を逸した愛情を捧げるアラサー女子の暴走ぶりを描いた恋愛物語。

友人の結婚式二次会で出会ったマモルに恋に落ちた瞬間から、アラサーOLテルコの世界はマモル一色に染まっていきます。会社の電話はとらないのに、マモルからの電話は数秒でとるくらい、いつも連絡を待っている。呼び出されると残業もしないで退社し、どこにいようと、電話一本でよびだされたらすぐにかけつけていく。もちろん待ち焦がれていたなんていう態度は、相手に悟られないように「ちょうど近くにいた」とか食事にさそわれたら、すでに夕食はすませているのに「ちょうどお腹空いていた」とかさりげなく、相手をきをつかって即返事をする。

「あした、おれ休みだから動物園にいかない?」なんていわれると「わたしもちょうど有給なの」といって会社をズル休みする。テルコは親友に「イタイ」とか「それって都合のいいおんなじゃん?」といわれますが、まったく聞く耳を持ちません。もはや恋人気取りですが、マモルは彼女とは思っていなくて、呼び方もテルちゃんからいつしか「山田さん」と他人行儀になっていく。

突然電話がかかってきて、風邪引いて熱があると連絡があり、そりゃもう喜んで家にいって手料理を作り、ついでに部屋の掃除まで。そんな女房きどりのテルコに、「そろそろ帰って」と真夜中に追い出されるんですが、まったくめげない彼女。

マモルが喜ぶならと、よく気がつく風の女を押しつけるので、マモルに「逆自意識過剰」とかいわれてしまう。そんなテルコとマモルに3人の男女が絡んできます。テルコの親友葉子と彼女が自分の都合で顎で使う、葉子に惚れている年下の男、ナカハラ。そしてガサツで自由奔放なすみれ。

永遠に埋まることのない男女の距離感を様々な片思いにもがく5人を描いていきます。

 

 

 

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監督にとって、原作モノは映画では二度目。今回はオファーをされたそう。

 

評判の高い小説を映画化していくことに対して、こだわった部分をお聞きすると

「僕はあまり小説を読まないのですが、撮ることになって読んだら原作がホントにおもしろくて。主人公の一人称で語られていくので、小説でしか表現出来ないことを映像化するのは難しいなと思いましたが、角田さんが気に入るようなものを作りたいと思いました。そうすれば原作ファンも気に入ってもらえるとおもったのです」

そんな角田さんに完成した作品を見ていただいた時の感想を聞いてみました。

「原作モノって、脚本の時点でチェックが入ることが多いのですが、まったくなかったんです。だから角田さんには映画が完成して初号(初めてみなさんにみてもらう試写会)ではじめましてだったんです!もちろんお顔は知っていましたが、会ったことはなかったんです」

岸井さんは、角田さんとは事前にお会いしていたそうで、それもちょっと特殊な出会いだったそうです。

「まだ初号もはじまっていない、角田さんももちろん映画を見ていないときに、私の友人が角田さんとお友達で、食事にいったんですよ。テルコを岸井さんがやってくれて嬉しい。ぴったりだと思う!といって、見ていない段階から言ってくださっていたんです。そして、観賞後に、すごい泣いちゃった!と言ってくださて、嬉しかったです。取材もご一緒させていただきました」

そこで監督が補足した、角田さんのエピソードが驚きの事実!

原作者がもう一度読みたくなる映画

「2003年に初刊だったので、映画を観たら本が読みたくなって、家になかったので、本屋さんに走ってすぐに買ったそうなんです。僕も自分の作品のDVDを見直そうと思ったらなかった、ということってあるんですけど、角田さんがご自身でまた自分の本を買ったなんて!」

意外なことも聞けちゃったのですが、そんなにも気に入っていただけた上に、今まで誰からも聞けなかった感想を言われたそうです。

「30歳前後ってこんなにキラキラして強いんですね。そして初々しい」と言われたことに対して、監督は

「まったく自分ではその視点はなかった」と言います。

たしかにマモルという大好きな男にすべてを捧げたいとおもっているテルコ。彼女がマモルを見る目はまるで少女のように輝いているし、キラキラしている。改めてみてみるとテルコはマモルをホントに好きなんだなと、、、テルコがマモルを見るときのウットリした目を見ればその感想は激しく同感しました。

 

俳優陣がすべてハマリ役

マモルがすべてのテルコを演じるのは、朝ドラ「まんぷく」のたかちゃんでもお馴染み岸井ゆきのさん。

人なつっこい性格と幼な顔で。だれもが一度会うと好きになってしまいます。

マモルへの執着心で粘っこいテルコがハマリにハマっています。なんと、劇中ではマモルへの想いや自分のダメさを唄にしたラップを披露。これぜひともリリースしていただきたい。

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©2019映画「愛がなんだ」製作委員会

そして、成田凌ファンは、ビックリするかも知れませんね。ダメすぎる男を見事に演じていて

テルコに対する態度は「クズ男」なのですが、なぜかそんな男に惚れるのが悔しいけど女の性。

母性本能も擽ってしまう。いままでにない成田凌。こんな男になぜ惚れるのかテルコやめなよ!と叫びながらみてしまうほど素晴らしい。

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©2019映画「愛がなんだ」製作委員会

親友の葉子を演じるのは元乃木坂46の深川麻衣さん。

監督とは二度目のタッグになりますが、自由奔放でキャリアウーマンなしっかり者を演じているけれど、実は別の意味でダメな人間なのです。

葉子に振り回されるカメラマンのナカハラに若葉竜也。優柔不断で葉子が好きすぎて流されっぱなし。テルコと同じ種類の人間で、しっかりしろ!と言いたくなるけどそんな彼が決断するラーメン屋のシーンが好きです。

 

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©2019映画「愛がなんだ」製作委員会

マモルが好意を寄せるすみれ役は江口のりこ。

もう、この人以外のキャスティングは考えられない。

小説ではこんな人いない、と監督は想ったそうですが、江口さんが演じたことによって、

「ああ、いるいるこういう人」と思ったそうです。その存在感は短いシーンながらもインパクト大。

 

 

ダメな人たちのダメな恋愛を描く。非リア充な物語

テルコ→まもちゃん→すみれ

ナカハラ→葉子

埋まらない気持ち。片思いの5人が中心になっている物語ですが、

葉子の母、テルコのバイト先の先輩のエピソードについても興味があったのでお聞きしました。

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©2019映画「愛がなんだ」製作委員会

テルコは親友葉子とは家族ぐるみの付き合い。葉子の母(筒井真理子)もテルコを気にかけてくれます。大晦日は葉子の家で過ごし、テルコとナカハラと4人で除夜の鐘を聞く予定が、なぜか葉子が会社のパーティーとかなんとかで出かけてしまう。(写真)

葉子の母の作った餃子を食べながら除夜の鐘を聞くのですが、誰もがこの新年を迎えたい相手が違うという、このシチュエーションがたまらなく切ない。

岸井さんはこのシーンも気に入っているようで

「まもちゃんがここにいたら、ナカハラも葉子がここにいたら・・というお互いの気持ちが強いシーンで、力強くある一言を言うんですよ。あのシーンは私もお気に入りです」

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そして、会社をやめて清掃のバイトをするテルコ。

そこでは片岡礼子さん演じる先輩とのやりとりが、実にリアルなのです。

小説ではあまり語られない、もちろん映画でも語られないのですが、先輩の人生がみえてくる、映像マジック。

子ども用のイスがついた自転車に乗っているとか、そこそこ美人なのに生活につかれているとか。

短いシーンでもその人の人生が見えてくるという映画ならではの演出が好き。

岸井さんは片岡礼子さんと2014年に舞台で共演しており、親子の役を演じたそうで、その時の親子のやりとりと、今回のバイトの先輩後輩=恋愛の先輩後輩のやりとりが非情に似ていたと話してくださいました。演じていてあの舞台の台詞などがフラッシュバックしたそう。

監督もそれは初耳だったそうですが、「まもちゃんのことで悩むテルコに、オトナ目線で励ましていくからね」

 

めんどくさいから恋愛は面白い

 

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「今までダメな恋愛映画を作っているとよく言われていますが、逆にダメじゃない恋愛ってあるの?

めんどくささや、空回りって辛いし絶望するとかありますが、それがある種、人を好きになるってことじゃないですか?悩むということは、その人を全力で愛している。僕はスムーズにいっている恋愛には興味がないです」

監督のおっしゃる通りで、めんどくさい恋愛こそ、人生の糧になると思うし、

たのしいだけじゃ、恋愛も結婚も成立しないから。

ダメな人たちの恋愛とタイトルに書きましたが、

私もダメな人。でもなんとか生きているし結婚もできたw

あと一歩踏み込めば、なんとかなるのにと思えたのは、自分がイタイ恋愛を経験をしたからなのだとも思いました。

テルコだけじゃなく、マモルにも葉子にもとにかく登場する全員のちょっとした言動に激しく共感し、感情移入。群像劇でこれほど全キャラクターに自分がハマるとは初めてです。

 

劇中、親友の葉子はマモルにあったことがなく、会わないままテルコの話を聞いて「都合のいい女になっている、そんな自己中な男やめなよ」と言うのですが、もし葉子がマモルに会っていたら話はどうなるのだろう、という話になった。たしかにそこがかわるとテルコやマモルの関係も少し変わったのかもしれない。

そんなことを監督とインタビュー中に話していました。

どのようにも物語が転がっていく。「もし○○だったら」と考えるのもこの映画の面白い見方なのかもしれませんね。

 

 

ただ今、伏見ミリオン座新館にて公開中。

めんどくさい恋愛を経験をした人は、懐かしみ

いま、絶賛めんどくさい恋愛中のかたは、必見。

なにかしら答えは見つかるかも。いや、見つからないかも・・←どっち!?(笑)

 

愛がなんだhttp://aigananda.com/

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松岡ひとみ

松岡ひとみ
レポーター、テレビタレントを経て、2010年から映画パーソナリティとして活動。東海地区を中心に、新作映画のみならず旧作から自主映画、短編映画まで取材し、テレビやラジオ、雑誌など各媒体で紹介。また、新作映画の舞台挨拶・記者会見の司会など、東海地区を中心とした映画イベントシーンにおいて欠かせない存在で、通称「映画のお姉さん」。様々な監督との交流も深く、日本各地で映画監督が主催の映画祭に行くことが趣味。
“映画伝道師”として多くの方に映画を愛していただけるような人になるのが夢です!

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