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神野三枝の今日も絶好調!
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第33回 話しましょう、終活のこと

2012年出版、風媒社『母への礼状~人生は生き方次第~』より抜粋
「会社で仕事をしていると、私のデスクの電話が鳴りました。午前中の事でした。事務職なので、毎日沢山の電話が掛かってきます。ですから電話の音は聞き慣れた音なのに・・・。あの時の事だけは、いまだに不思議でなりません・・・。

プルルルルル~プルルルルル~
(中略)
時計の針は、もうすぐ3時になるという時でした。なぜかその時!直感で感じました!
お父さんが、死んだ!

人は、人生の中で、本当に特別の事だけ、普段では絶対にあり得ない、不思議な力が働くのですね。あんな不思議な直感は、あの時一度きりです。父が、私に知らせたのでしょうか?」

両親は離婚し、三重県で一人離れて暮らしていた父、享年53歳。当時私は22歳、OL2年生。

「こんなこともあろうかと貯金をしておいて良かった。私は、貯金を全部おろして50万円を握りしめて近鉄電車に乗りました。会社には遠い親戚に不幸が起きた事にしました。実の父だと言えば、会社が弔問だ、お花だと大騒ぎになってしまうからです。会社の人たちに来られても困る。ましてや、弔問客の一人もいないお葬式を見られたくはない。お父さんは、娘だけが送ってあげればいい。心から大切に送ってあげれば、人数や、豪華なんてものはどうでもいい・・・。初めてのお葬式に戸惑いながらも、立派に送ってあげよう。その気持ちだけでした。

私は父の衣類の中から、昔父がよく着ていた着物を取り出し、父に着せました。父の体は冷たく、硬直していました。本当に死んでしまった。この父に、幸せな思い出は、いったいいくつあったのだろう・・・と思いながら着物を着せ、私たち親子はこんな形でしか繋がっていられない運命だったのだろうか?と思いながら帯を締めました。あんなに苦しめられた父なのに、今、私の腕の中の父は、無抵抗のお人形のようで、弱く思えて仕方ありません。

父に布団を掛けると、電話帳で近所にある葬儀屋さんを探し、お参りの支度を整えて頂き、御寺様を紹介して頂いて、お通夜、翌日のお葬式、出棺、初七日まで、経験は無くても葬儀屋さんに教えて頂きながらなんとか出来るものです。」

53歳の今、父が他界した歳と同じ年齢なった私が今思うのは、精一杯見送ったけれど、父はあれで満足だったのか?と感じることです。もしかしたら人生の最期、知らせて欲しい人がいたのではないだろうか?見送って欲しい人がいたのではないか?とにかく葬式を済ませることだけに必死で、故人の意志もない私本位の葬儀を自己満足にすぎなかったのではないか?という思いが、年の功なのでしょうか過ぎさります。

人の一生はいつ終わりが来るのかわかりません。近頃では人生の終わりを迎えるための準備を「終活」と呼び、死について本人の意志を身内に伝え、死を生前から受け入れ、身内が困ることのないよう自ら死の準備をすることが大切であると世の中の流れが変わってきています。

先日、中日新聞社主催の「終活セミナー」が名鉄百貨店で開催され、レクスト愛昇殿の方が終活の中でもとても大事な葬儀についてのトークショーをされました。私もその案内役で関わらせていただきましたが、お越しになられたお客様は皆さんいざという時になって慌てる前に、事前に本人と家族が一緒に準備しておくことの必要性を痛感されていました。

葬儀の前に確認しておかなければいけないこと。葬儀は仏式かキリスト式か神式か無宗教か、宗派は、喪主は、自宅以外で亡くなった場合の一端自宅に帰るのか葬儀場に直接行くのか、遺影はどの写真か、家紋は何か、柩の中に入れるものは、誰に連絡をするのか・・・などなど決めておかなければいけないことは山のようにあります。しかしそういった会話を縁起でもないとタブーにしてきたから、いざという時に大慌て、残された身内も大変です。結果、身内にとって都合のいい葬儀となり故人の最期のセレモニーにもかかわらず、故人の意志も人生も反映されない、ただしめやかな葬儀となってしまっていたのが現実でした。

「身内に不幸が起きることを想定して話をするだけでも不謹慎だ」という時代はもう終わりました。今は送る側も送られる側もやがて訪れるその時を真摯に受け止め、一緒に準備をすることで人生最期のセレモニーを安らかな気持ちで迎える時代なのです。遠回しにしないで話しましょう。大切な家族が生きてきた証のセレモニーなのですから。

気負わず、焦らず、穏やかに。
さあ、今日も元気を出して、絶好調で!

(2019年08月19日)

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