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大竹敏之のでらうま名古屋めし探訪
大竹敏之のでらうま名古屋めし探訪

「川井屋本店」のきしころ

川井屋本店のきしころ580円。油揚げ、ほうれん草、ふちの赤い名古屋かまぼこの具の色どりも豊か。仕上げはもちろん花かつお!
川井屋本店のきしころ580円。油揚げ、ほうれん草、ふちの赤い名古屋かまぼこの具の色どりも豊か。仕上げはもちろん花かつお!

きしめんは“ころ”が一番ウマい!

 名古屋めしの中でもとりわけ長い歴史があるきしめん。名古屋城築城の際にたくさんの職人に手早くふるまえるよう麺を薄くしたのが始まり、との説もあり、江戸時代から親しまれてきたのは間違いのないところです。

 川井屋本店は大正創業の老舗。3代目店主の櫻井太郎さんはきしめんのおいしい食べ方として、冷たいつゆをかける“きしころ”を推奨します。

3代目の櫻井太郎さん。生地を丸める“まるけ”と呼ばれる工程、力をしっかり伝えるために細い麺棒を使うのも名古屋ならではの手打の技法
3代目の櫻井太郎さん。生地を丸める“まるけ”と呼ばれる工程、力をしっかり伝えるために細い麺棒を使うのも名古屋ならではの手打の技法
落ち着いた雰囲気の店内。武家屋敷や貴重な近代建築など古い町並みが残る「文化のみち」の一画にあり、名古屋の観光、街歩きと合わせても立ち寄りやすい
落ち着いた雰囲気の店内。武家屋敷や貴重な近代建築など古い町並みが残る「文化のみち」の一画にあり、名古屋の観光、街歩きと合わせても立ち寄りやすい

 名古屋のうどん、きしめんは塩分濃度の高い塩水で粉をこねて生地をつくり、さらにひと晩寝かせて熟成させるのが特徴。あえて固い生地をつくって延ばすことで、薄くてもコシや弾力のあるきしめんが生まれます。単にうどんを平たくしたもの、と勘違いされがちですが、時間も手間もかけてきしめんにしかない特色を生み出しているのです。

 川井屋本店のきしめんはやや厚みがあり、のどごしのよさに加えてちょっともっちり感もあり。つゆの乗りがよく、ムロアジ、宗田ガツオの豊かな風味もしっかり感じられます。

多彩なきしころを食べ歩き!「きしころスタンプラリー」開催中

8月31日まで開催の「きしころスタンプラリー2019」。
8月31日まで開催の「きしころスタンプラリー2019」。

 きしめんの醍醐味を最も堪能できるきしころ。その魅力を知ってもらおうと5年前から始まったのが「きしころスタンプラリー」です。名古屋市内を中心に40店舗が参加し、7・8月の2カ月間にわたって開催。それぞれの店できしころを食べ、5店舗分のスタンプを集めれば500円の食事券をゲットできます。創作性の高いオリジナルきしころを出す店も多いので、きしめんの新たな魅力にも出会えます。そして何よりきしめんそのものが店によって千差万別。透明感のあるつやつやしたもの、ふんわり柔らかくてのどの通りがいいもの、とびきり幅が広くてもちもちなものなど、個性豊かなきしめんを食べ比べできるのです。

きしころスタンプラリー参加店のきしころの数々。上段左「手打麺処まるいち」(名古屋市東区)・豚シャブきしコロ、上段右「えびすや猫洞店」(同千種区)・冷やしたぬき、下段左「三朝」(同千種区)・俺の塩ころ、下段右「摩留喜屋」(同東区)・納豆きしころ
きしころスタンプラリー参加店のきしころの数々。上段左「手打麺処まるいち」(名古屋市東区)・豚シャブきしコロ、上段右「えびすや猫洞店」(同千種区)・冷やしたぬき、下段左「三朝」(同千種区)・俺の塩ころ、下段右「摩留喜屋」(同東区)・納豆きしころ

 名古屋市内を中心に春日井市、瀬戸市、東郷町、大府市、刈谷市、蒲郡市、岐阜県笠松町の全40店舗が参加。詳細は愛知県めんるい組合HPをご覧ください。

 いろいろな店の多彩なきしころを食べ歩き、名古屋名物の真の魅力を味わってみてください。(写真撮影/すべて筆者)

 

そうだったのか!名古屋めし

 冷たいつゆをかけたきしめん、うどんを「ころ」と呼ぶのは名古屋独特。この「ころ」の語源には諸説があります。冷たくても香りが立つ露(つゆ)=香露(こうろ)が縮んだ。戦後作られた公設市場内の製麺販売所兼食堂で白玉の麺を丼に“ころっ”と転がしてつゆを注いで出していたから。白玉の麺を丸めて店頭に並べていたため、小さくて丸っこいものを石ころなどにならってころと呼ぶようになった。冷水でキュッとしめる“食べごろ”から転化した・・・。長年ころを出しているうどん店に尋ねても、様々な説が出てきて判然としません。それだけ名古屋では古くからごく当たり前のものとして親しまれてきた、ともいえます。

 また、「きしころ」「ころきし」「ころうどん」などをメニュー名として明記してある店はめったにありません。常連は慣れた様子で「きしめん、ころにしてちょう」などと注文します。「ころ」はメニューの名前というよりも、名古屋の麺類食堂におけるうどん、きしめんの食べ方のバリエーションのひとつ、ととらえた方が正しいのです。

川井屋本店

川井屋本店

住所:名古屋市東区飯田町31
TEL:052-931-0474
営業時間:11:00~14:00、17:00~21:00LO
定休日:日・祝
駐車場:15台
アクセス:地下鉄高岳駅より徒歩15分

(2019年07月25日)

大竹敏之

大竹敏之(おおたけとしゆき)

「おいしい名古屋めしのお店、連れてって」。今や地域の名物にして観光資源にまでなっている名古屋めし。他県から来た友人知人にこんなふうに頼まれることも多いはず。しかし、そこで、はたと悩んでしまう人もまた多いのでは? 地元っ子も知ってるようで意外と知らない、名古屋めしの本当に“うみゃ~”店を、名古屋めしライターこと大竹敏之がご案内します。

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