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神野三枝の今日も絶好調!
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第31回 やめましょう、自分の虫の腹癒せは!

先日、友達とデパートに贈答品を買いに行ったときのことでした。レジで割り勘にしてもらうのは面倒をかけると思い、ひとまず友達がまとめてお支払いを済ませました。そして私が割り勘分を友達に払おうとしたのですが両者とも千円札を切らしており返せず、そこで今受け取ったばかりのお釣りの5千円札を「すみませんが、千円札に変えていただけませんか?」と店員さんにお願いしたのです。

すると後ろのレジが置かれた狭い部屋に入っていかれ、そこには4人の従業員の人がいるのが見受けられたのですが、私から5千円札を受け取った店員さんが中にいる人たちに言いました。「両替して欲しいって言うんだけどさ・・・」するとそこにいた従業員が口々に「両替?」「両替は無理」「できない」「なんで引き受けるの?」「断らないかんて」と文句を言い合っているのです。数分経って、ようやく出てきたその人の手には千円札が5枚ありましたが、手渡す前に言うのです。 「本来、両替はできませんが、今回だけは特別に両替しておきました。けど、今後は気をつけてくださいね。」

さて、みなさんこのやりとりをどう思われますか?

まず接客業として客に聞こえるところで客に対する文句を言い合っていること自体アウトなのですが、これを両替と解釈するのは果たして正論なのでしょうか?レジで割り勘分を一人ずつ清算していたら、それぞれにお釣りを出していたはずです。それは良くて、まとめて支払って受け取ったお釣りの5千円札を千円に変えてもらうのは両替とは・・・。

しかし問題はそこではありません。 決定的にダメなのは「本来、両替はできませんが、今回だけは特別に両替しておきました。けど、今後は気をつけてくださいね」というくだりです。両替を要求してきた客に対して何がなんでも断りたいなら「今、千円札を切らしておりまして申し訳ございません」でも何とでも断るという手段はいくらでもあります。目的を達成させるためなら多少の嘘も方便です。大事なのは相手を不愉快にさせないということです。こちらとしては千円札を受け取ってもありがたい気持ちになるどころか叱られた気分でした。デパート側が規則として「両替お断り」としているのは何も買わずに両替だけを要求してくる場合のための決まりですが、ひとえに臨機応変という柔軟性がないばかりに、杓子定規に通り一遍の対応をしてしまう事にトラブルの引き金がありそうです。

今回のことはとてもいい勉強をさせてもらいました。ルールに従うことは大切なことです。しかし従うにあたって状況判断が大事だということです。この判断をおざなりにすると事を収めるどころか相手を怒らせてしまう危険もはらんでいます。今回のケースは客の要求に屈することに虫が納まらず、一言文句を言いたいところが、あくまでも接客業なので要求は飲みつつ注意を促したようですが、このやり方では恩を着せられた客の方こそ虫が湧いて納まらなくなりかねません。

先日、友人が暮らすマンションで管理人の不手際で住人同士が気まずい状況に陥るトラブルがありました。住人同士が互いに相手に対して誤解を招き気分を悪くする大ごとでしたが、実は双方に落ち度は全くなく、すべては管理人の仕事上のミスが原因のトラブルでした。当然その誤解を解き、こちらに対して気分を悪くしている相手方の気分をなだめて欲しいと思った友人は、管理人のもとに出向き、相手方にきちんと経緯を説明して詫びて欲しいと協力を要請しました。すると管理人はミスをした同僚の非を認めこう言ったのです。「この度は申し訳ありませんでした。こちらも悪かったです。」

さあ、ここで納まるものが納まらなくなりました。「こちらも悪かったです」という「も」の一言が大問題なのです。「も」とい言葉には「あなたも」という意味合いが込められてしまうからです。これでは住人側にも非があるという日本語になってしまいます。当然友人は「違うでしょ。こちらが!でしょ」と切り込んだそうですが、ひらがなたった一文字の違いで事が納まるか、火に油を注ぐかの分かれ道。一言一言を慎重に言葉は発しなければいけません。管理人の中には、自分の同僚のミスなんだから自分のミスではないと思っているから、トラブルに発展しても慎重に言葉を選ぶ危機感に欠けたのです。

では、先のデパートと後の管理人に、共通しているのは何でしょう?
仕事に対して「他人事」という事です。つまり相手の身になって考えた時には自分の出方も変わるのに、そこまでの考えが及ばずトラブルに発展させてしまった事です。もっと言えば、客、住人に言われた事にカチンときて自分の虫が納まらず、それでちょっとした腹いせをしてしまったがために、今度は相手の虫が納まらなくなってしまったというパターンです。

「やめましょう、自分の虫の腹癒せは!」トラブルが大きくなるだけです。多少カチンときても、相手の気持ちを鎮めるには今どんな言葉をチョイスすることが適切かを考える心の余裕を持ちましょうね。 さもないと、相手に虫が湧きますよ。

気負わず、焦らず、穏やかに。
さあ、今日も元気を出して、絶好調で!

(2019年07月15日)

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