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大竹敏之のでらうま名古屋めし探訪
大竹敏之のでらうま名古屋めし探訪

「三朝」のカレーうどん

カレーうどん700円。クリーミーかつスパイシーなカレールゥ、肉厚油揚げ、豚肉、ねぎという名古屋流の王道を継承しながら、独自に進化も遂げている
カレーうどん700円。クリーミーかつスパイシーなカレールゥ、肉厚油揚げ、豚肉、ねぎという名古屋流の王道を継承しながら、独自に進化も遂げている

元祖直伝の味を発展させた“名古屋流”のさらなる進化版

3代目の佐枝慎一さん。高校生の頃から元祖の若鯱家で修業を積み、20代で家業を継いだ。
3代目の佐枝慎一さん。高校生の頃から元祖の若鯱家で修業を積み、20代で家業を継いだ。

 今や堂々たる名古屋めしに位置付けられる“名古屋流”カレーうどん。北区黒川にあった「若鯱家」が昭和50年代に大ヒットさせたことからこの地域に広まりました。

 元祖・若鯱家の味を受け継ぐ店は名古屋周辺にいくつも存在し、そのひとつが千種区の「三朝」です。3代目の佐枝慎一さんは昭和50年代後半から60年代初めまでおよそ4年間、若鯱家で修業を積みました。家業を継いだ後、従来のカレーうどんを若鯱家直伝の名古屋流に変更。さらにオリジナルのアレンジを加えて“三朝流カレーうどん”を作り上げました。

 「若鯱家では鶏ガラと魚介ダシのWスープだったが、うちはこれに豚を加えたトリプルスープ。カレー粉もオリジナルで配合しとるんだわ」と佐枝さん。

昭和6年創業。住宅街の一角にある一見平凡な麺類食堂だが、変わりダネメニューにびっくり!文句なしのおいしさにさらにびっくり!!
昭和6年創業。住宅街の一角にある一見平凡な麺類食堂だが、変わりダネメニューにびっくり!文句なしのおいしさにさらにびっくり!!

 麺はもっちりした太麺。クリーミーかつスパイシーなカレーがよくからみます。辛さはピリピリするほどは強くなく、香ばしさとともに奥深いコクが広がります。

 店主の職人としてのこだわりを象徴するのが麺。うどん、きしめん、カレーうどん用めん、煮込み用麺、そば、さらに夏は冷麦。6種類の麺を小麦粉の配合から変えて打ち分けているのです。名古屋のうどん店はうどん、きしめん、煮込み用麺、そばと4種類を使い分けるのが一般的で、これだけでも大変なのですが、生地からすべてつくり分けているという店はあまり聞いたことがありません。ご主人いわく「カレーうどん用は太くてももちもち感が出るよう特別な配合をしとるんだわ」とのことです。

変わりダネメニューの数々も味はホンモノ

ジャンボエビフライが金鯱のごとく並び立つ超デカッ!海老カレーうどん。これで1000円はコスパ高すぎ!
ジャンボエビフライが金鯱のごとく並び立つ超デカッ!海老カレーうどん。これで1000円はコスパ高すぎ!

 この旺盛な創作欲はメニューのラインナップにもいかんなく発揮されています。きしめん、味噌煮込みうどん、志の田うどんなどオーソドックスなメニューはひと通り揃えている上、オリジナル商品がやたらとたくさんあるのです。幅広きしめん、地獄あんかけ、台湾みそ煮込み、どてきし、白いあんかけ志の田つけめんなどなど・・・。これら一見風変わりに見える創作メニューも、麺とつゆや具のバランスなどが十分に考えられていて、どれもこれもハズレがなく、しかもオンリーワンのおいしさを確立しています。

 名古屋流カレーうどん元祖の直系として技術を継承し、さらにオリジナリティを加えた三朝のカレーうどん。“名古屋流”の正統な進化版は、この目立たない場所にある昔ながらのうどん食堂で存在感を輝かせているのです。(写真撮影/すべて筆者)

ピリ辛ミンチをトッピングした台湾カレーうどん850円。
ピリ辛ミンチをトッピングした台湾カレーうどん850円。
最新のヒット商品、台湾まぜうどん900円。追いチャーハンを加えてさらにお茶づけに〆る(+450円)と満足&満腹度はいっそうアップする。
最新のヒット商品、台湾まぜうどん900円。追いチャーハンを加えてさらにお茶づけに〆る(+450円)と満足&満腹度はいっそうアップする。

そうだったのか!名古屋めし

 カレーうどんが名古屋めし、と聞いて首をかしげる人もいらっしゃるでしょう。カレーうどんの発祥は明治後期、東京・早稲田のそば店「三朝庵」というのが定説(奇しくも名古屋の「三朝」はそののれん分け)。カレー+うどんという2大国民食のコラボは広く受け入れられ、今では日本中で食べられるほど普及しています。

 一般的なカレーうどんは、うどん、そばで使われる和風だしのつゆにカレー粉をとき、片栗粉でとろみをつけたもので、いわばカレー風味のあんかけうどん。これに対し、名古屋で主流になっているのは主に鶏ガラスープをベースとし、インドカレーばりに何種ものスパイスを使います。もっちりした太麺、具は肉厚の油揚げ、豚肉、ネギが定番というのも特徴です。

 ルーツは冒頭に挙げた「若鯱家」で、この店が売り出したカレーうどんが大評判となり、以後多くのフォロワーを呼んで、カレーうどんを目玉商品にすえる店や専門店が市内に広まりました。こうして独自に進化・発展を遂げた“名古屋流カレーうどん”は、この地域のご当地麺、すなわち名古屋めしのひとつにも数えられる存在となったのです。

三朝(さんちょう)

三朝

住所:名古屋市千種区千種1-4-25
TEL:052-731-4283
営業時間:11:00~15:00、17:00~21:00
定休日:水曜
駐車場:5台
アクセス:JR・地下鉄千種駅より徒歩10分

(2019年05月23日)

大竹敏之

大竹敏之(おおたけとしゆき)

「おいしい名古屋めしのお店、連れてって」。今や地域の名物にして観光資源にまでなっている名古屋めし。他県から来た友人知人にこんなふうに頼まれることも多いはず。しかし、そこで、はたと悩んでしまう人もまた多いのでは? 地元っ子も知ってるようで意外と知らない、名古屋めしの本当に“うみゃ~”店を、名古屋めしライターこと大竹敏之がご案内します。

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