育児中の母親に大好評 「SKIP」16年間の活動に幕
愛知、岐阜の子育て中の女性たちの企画グループSKIPが16年前に始めた託児付きのモーニングコンサート(モニコン)が、今年6月で終了する。子育て支援の広がりにも大きな影響を与えた活動だが、40代を迎えたメンバーたちは、年齢にふさわしい輝き方を探す新たな取り組みを始めた。 (野村由美子)
現在はNPO法人になったSKIPは、「子育て中でも自分らしさを大切にしたい」と女性4人で1993年に結成。現在は90人の会員で活動する。
当時は母親の育児の不安は注目されず、子育て支援の活動や託児付きのイベントもほとんどなかった。メンバーは自分たちの経験から、文化とは無縁で孤独な育児に追い詰められている母親は多いだろうと、安心して子どもを預けられる本格的なクラシックコンサートを開こうと企画。会場を提供した電気文化会館(名古屋市中区)との共催で94年に初開催した。
午前10時台開演で正午前後に終了するため、幼稚園児の子どもがいる母親も、迎えに行く時間に間に合う。料金も当初1500円と安く設定した(現2000円)。託児は生後6カ月からで、初回は80人を預かった。子どもたち向けのステージも設けた。コンサートは大好評で、毎年6月に開催されるように。
「こんなにゆったりした時間は産後は初めて」と涙を流す女性や「短時間でも預けて、育児不安から救われた」と子どもを抱き締める女性が毎回見られた。後にスタッフに加わった人も多い。小さな子も参加できるクリスマスクラシックコンサートも始めた。
夜は出掛けにくい高齢の夫婦など子育て中の母親以外のファンも出てきた。観客の熱心さに演奏者も感激し、出演希望も多かった。
しかし、好評の一方で10年以上毎年開催するメンバーの負担も大きかった。議論を重ねて「同様のイベントも増え、社会への提案や役割は果たしたのでは。私たちも次へ進もう」とクリスマスコンサートを含め今年で最後にすることにした。
最後のモニコンを飾るのは過去2回出演したピアニストの三舩優子さん。三舩さんも母として趣旨に賛同。最初は授乳中に、2度目は長女を託児に預けて出演した。
子育ても一段落したメンバーは17年目の今年、40代以降の自分らしさとは何かを考える「17(いーな)プロジェクト」を立ち上げ、議論を始めた。新しい仲間も募る。
代表の水野真由美さん(44)は「私たち皆、モニコンに救われた。今はネットの情報も多いけど、人と人のつながりの素晴らしさを知ってもらいたい」と準備に奔走する。
コンサートは6月16日午前10時45分開演。定員395人。入場料2000円(マタニティー割引あり)。託児は生後6カ月からで1人1100円(おやつ代込み)。(問)SKIP=電070(5641)4317
(2009年5月13日)
