秘策は?うがい、趣味、体重管理など
プロ野球25年目の中日ドラゴンズの山本昌投手。43歳の誕生日直前の8月4日、200勝を完投で飾り、その後も最年長記録を次々に更新中だ。40代の体力維持に秘策はあるのか聞いた。 (飯田克志)
「体力はやっぱり徐々に衰えてきていて、一生懸命維持しようとしている」。山本投手は年齢との闘いを率直に認めた。だが、200勝した後も勝ち星を重ね、昨年まで球速130キロ台だった直球は、今年は140キロ台を連発している。
その進化を支えているのが、1996年の自主トレから指導を受けている、鳥取市のジム「ワールドウィング」の小山裕史(やすし)代表。大リーガーのイチロー選手らも“教え子”。
山本投手は95年に左ひざを手術。成績も2勝で終わり、小山氏独自の「初動負荷理論」に基づいたトレーニングに復活を懸けた。「光が見えたような気がした。続けられたのは小山先生との出会いがあったから」と信頼を寄せる。肩やひじに負担がかからず、力のロスが少ないフォームを二人三脚で作り上げてきた。小山氏は「年齢とともに筋肉と筋肉を動かす神経の連動が衰えるが、マサ君は逆にトレーニングで発達している」と明かす。
専門的なトレーニングとは別に、日常で心がけていることもある。オフは数年前から全休はやめ、3日以上は空けないで練習する。シーズン中も「野球選手は走れなくなったら終わり」と、ランニングは欠かさない。
食事も気になるが、山本投手は「食事は好きな物、肉でも魚でも食べたいものを食べている。試合前にハンバーガーを食べることもある」。
ただ、炭酸飲料は普段飲まず、「ビールも試合後、缶(350ミリリットル)2本までで、体重は維持するようにしている」。あるスポーツドクターは「体重を維持しているのが重要。好きな物を食べるのも精神的にいい」と指摘する。
睡眠時間は8時間を確保するように心掛けている。「体調がちょっとでもおかしいと思ったら薬を飲むとか、冬はうがいを必ずしている。25年間、風邪で休んだことはない」
趣味はプロ級の腕前の無線操縦車やクワガタ飼育、歴史関係の読書など多彩で、気分転換にも生かしてきた。ただ、今シーズンは「最後のシーズンになるかもしれず、200勝という目標のため、ほかのことは我慢しよう」と無線操縦車は封印、クワガタも知人らに譲った。
「特別な才能はなかった」という山本投手は「あるレベルの中に入ったとき、そのレベルまで自分を持っていく工夫や努力はできる方。自分で1回決めたことを途中でやめたことはない」と自己分析。プロ選手として必要な練習などを「普通のこと」とこなす。
食事や睡眠など体調維持に気を使い、体重を増やさない。勝負どこでは趣味も断って集中する。日々の練習も続ける地道さが大事なようだ。
「40代を言い訳にしたくないし、年齢のことは考えないで取り組んでいる」と話し、同世代には「野球界にいるのでベテランと呼ばれるけれど、一般社会では、中間管理職やその手前ぐらいで大変に忙しい時期だと思う。何に対しても前向きに頑張ってほしい」とエールを送る。
山本昌広(やまもと・まさひろ)=登録名・山本昌。1965年8月生まれ。84年、日大藤沢からドラフト5位で入団。沢村賞、最多勝3度、最優秀投手2度など。通算204勝、今シーズン11勝6敗(10月6日現在)。身長186センチ、体重87キロ。家族は妻と1男1女。
(2008年10月7日)
