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エスカレーター低速化じわじわ

商業施設や駅など 高齢者の転倒事故防止

安全確保のため低速運転するエスカレーターを利用する親子連れ=愛知県日進市のプライムツリー赤池で
安全確保のため低速運転するエスカレーターを利用する親子連れ=愛知県日進市のプライムツリー赤池で

 多くの人が利用する商業施設や駅などのエスカレーターが「低速化」している。転倒によるけがを防ぐためで、高齢化や安全意識の高まりが後押しした。一方、遅すぎると利用客がエスカレーターを歩いて上り下りし、かえって危険が増す恐れもあり、施設やメーカーが適正な速度を模索している。(中村玲菜)

 「安全のため低速運転を実施しております」。愛知県日進市の商業施設「プライムツリー赤池」のエスカレーター前には、こんな注意書きがある。一般的な速度は分速30メートルが多いが、同店は分速20メートルに設定。家族連れでにぎわう休日に6歳の男の子と訪れた30代の父親は、「ここはかなり遅いので、子どもと一緒の時は安心」と話す。

 同店の担当者によると、混雑する駅などのエスカレーターの速度に慣れている客からは「速くしてほしい」との要望も届くというが、客層と安全性に配慮して低速に設定した。

 国内向けエレベーター・エスカレーターでトップシェアの三菱電機(東京)のデータには、低速化の傾向が顕著に表れる。同社の国内向けエスカレーター生産を一手に担う稲沢製作所(同県稲沢市)の出荷時の初期設定速度を見ると、2010年は分速30メートルが98%、分速25メートルが2%だったが、17年には分速25メートルが30%まで増えた。

 背景には利用者の高齢化がある。日本エレベーター協会(東京)の調査によると、エスカレーターで転倒などのけがをする人の6割が60歳以上。平均寿命が延び高齢者の割合が高まったことで事故件数も年々増えており、低速化を後押ししているようだ。

 ただ、遅くすることで新たな課題も生まれる。同協会の今井一郎技術部長は「速度が適正でない場合、輸送能力が落ちて施設を混雑させてしまう。利用者がエスカレーターを歩いてしまって接触するなど、危険な状況を招く恐れもある」と指摘する。

 メーカー側では状況に応じて柔軟に速度を調節する技術開発が進む。日立ビルシステム(東京)は、重量から利用者数を判断し、自動で閑散時は遅く、混雑時は速く切り替える機能を08年から標準化。駅でも利用されている。同社はエスカレーターの乗り場手前に設置したセンサーが利用者の歩く速さを感知し、エスカレーターの速度を自動で調節する機能も製品化しており、病院などで導入実績を伸ばしている。

(2019年2月5日)

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