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震災で注目"液体ミルク"

常温保管、すぐ飲める 国が解禁

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 北海道地震発生から6日で1カ月。今も一部地域では断水が続いており、こうした災害時に、乳児を抱える親たちにとって粉ミルクを溶く水や湯を確保できるかは大きな不安の種だろう。今後の備えとしても注目されているのが、お湯に溶かす必要のない「液体ミルク」だ。海外では広く普及しているが、国内では厚生労働省が今年8月、製造や販売を認可したばかり。液体ミルクの使い方などについて、専門家に話を聞いた。(酒谷信子)

■湯溶きなどが不要

 粉ミルクは70度以上の湯で溶き、人肌に冷ましてから与える必要がある。

 これに対し、液体ミルクは常温での保管が可能で、容器を開封すれば、そのまま乳児に与えられる。「水と熱源の確保が難しい災害時や外出先、夜間の授乳などに役立ちます」と一般社団法人乳児用液体ミルク研究会(横浜市)の末永恵理代表は力を込める。

 液体ミルクと粉ミルクの中身について、のえる小児科(札幌市)の瀬川雅史院長は「原材料や栄養成分はほぼ同じだが、海外で生産されている液体ミルクは、国産の粉ミルクと若干、成分が異なるものがある」とした上で、「一時的に使用するのに問題はない」と話す。

 粉ミルクを70度以上の湯で溶く理由について、瀬川院長は「髄膜炎などを引き起こす可能性のある『サカザキ菌』が含まれていることがあり、菌を死滅させる必要があるため」と説明。液体ミルクは高温処理で滅菌されているので、そのまま与えられるという。

■飲み残しは捨てる

 ただ、粉ミルクと同様、使用には注意が必要な点がある。

 液体ミルクには、使い捨てのニップル(乳首)が付いていて容器ごと授乳できるタイプと、哺乳瓶に移し替えて使うタイプがある。移し替える場合は、煮沸するなどした清潔な哺乳瓶が必要になる。飲み残しは放置すると雑菌が繁殖する可能性があり、必ず捨てること。また、牛乳アレルギーがある場合は医師と相談しながら使う必要がある。

 災害時、「液体」と「粉」の両方のミルクがあった場合、瀬川院長は「液体ミルクが優先的に使用されるべきだ」と指摘する。衛生面などで不安がある被災現場で粉からミルクを作ることを考えた場合、製造段階で既に滅菌されている液体ミルクの方が、細菌などを体内に取り入れるリスクが低いからだ。

 特に持病があり、感染症のリスクの高い乳児は「液体ミルクを使用した方が良い」と言う。

 もちろん、「母乳を飲んできた赤ちゃんの場合、母乳を与え続けることを第一に考えてほしい」と瀬川院長。災害時には、ストレスから母乳の分泌量が一時的に減ることがあるため、「プライバシーが確保された場所で、ゆったりと授乳できるよう周囲が配慮することが求められる」と話している。

■国内生産はまだ先

 液体ミルクは現在、日本では製造されていない。インターネット通販などで海外の製品を購入できるが、輸送費などがかかるため粉ミルクより高価だ。東日本大震災や熊本地震の際にフィンランド製の液体ミルクが被災地に寄贈されて注目され、国内での製造・販売を求める声が高まっていた。厚労省は規格基準などを省令で定め、8月にようやく解禁した。

 今後は乳業メーカーによる商品開発や保存テストを経て、製造への準備が進むとみられるが、国内産が店頭に並ぶのは「1~2年後になると見込まれる」(日本乳業協会)という。

(2018年10月5日)

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