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日本最高齢のチアリーダー滝野文恵さん

楽しく踊り、悔いない人生

「いくつになっても楽しく踊りたい」と話す滝野文恵さん=東京都内で
「いくつになっても楽しく踊りたい」と話す滝野文恵さん=東京都内で

 平均年齢71歳のチアダンスチームが東京を拠点に活躍している。その「ジャパンポンポン」を率いるのは、日本最高齢のチアリーダー滝野文恵さん(86)=神奈川県横浜市。家庭生活に疲れ、老後の過ごし方を考え始めて出合ったチアダンス。「いくつになっても、楽しく踊りたい」と観客たちを元気づけ、今では各地のイベントに引っ張りだこだ。 (出口有紀)

シニアチーム創設 国内外で活躍

 茶髪のウイッグ(かつら)に、スパンコール入りの衣装。軽やかなステップを踏むと、今度は横一列に並んだメンバーが一糸乱れず脚を上げてラインダンスを披露する。観客から、さらに大きな声援が起こる。

 「還暦を過ぎた人たちが、という驚きもあるのでしょうね。私も若い人がやるものと思っていましたから」。滝野さんは笑う。

 滝野さんは大学を卒業し、1年間、米国に留学した後、25歳で結婚。父の会社で翻訳の仕事をしながら子ども2人を育てたが、夫との価値観の相違が積み重なり、52歳のとき、子どもたちがひとり立ちしたこともあり家を出た。父の死も影響した。何事にも前向きだった父が、亡くなる半年前から生きる気力をなくしていく様子に接して「私は悔いのない人生を過ごし、最期に幸せだったと思いたい」と考えた。

 子育てや仕事に追われ、自分を表に出すのを控えてきたが、翌年、老後の過ごし方を勉強しようと再び渡米。大学で修士号を取得し、3年後に帰国した。スカイダイビングなどにも挑戦した。

 そして62歳の時、米国に平均年齢74歳のチアグループがあると知った。グループのリーダーに手紙を送ると、派手な衣装を着こなすメンバーたちの写真と手紙が届いた。「楽しそうだった。シニアがチアダンスをやるなんて想像できなかった。でも、できるんだったらやってみよう」。ダンス経験はなかったが、友人らと5人で活動を始めた。1996年、63歳の時だった。

 入会資格は「55歳以上」「自称、容姿端麗」のみで、ダンス未経験者も多い。しかし、それがかえって週1度の指導者を招いての全体練習に9割のメンバーが毎週出席するなど、高い意欲につながっている。

 メンバーたちの息のあったダンスで観客を楽しませるには、練習の積み重ねが何よりも重要だ。全体練習だけでなく、練習を収めた動画に合わせるなどの個人練習は毎日欠かさない。「年寄りの趣味」に甘んじず、レベルを落とさないよう心掛けるがゆえに、練習不足のメンバーに厳しく言うこともある。

 リーダーの木村貞子さん(65)は「滝野さんがびしっと言わないと、一筋縄ではいかないシニアの女性をまとめられない」と笑う。滝野さんから見れば"若者"の木村さんだが「体が痛い時でも練習に行けばしゃんとする。気力も体力も保っている滝野さんからも刺激を受けている」と話す。

全国大会「USAナショナルズ」にゲスト出演し、演技を披露する滝野文恵さん(中)らメンバーたち=2017年3月、千葉県千葉市内で(滝野さん提供)
全国大会「USAナショナルズ」にゲスト出演し、演技を披露する滝野文恵さん(中)らメンバーたち=2017年3月、千葉県千葉市内で(滝野さん提供)

 気合が入ったチアダンスは評判を呼ぶように。現在では国内外のイベントに呼ばれ、昨年はほぼ毎月、参加した。派手な衣装やメークのメンバーに「なんてはしたない・・・」といった声もあるというが、メンバーたちは「人生最後に楽しかったと言いたいから」と意に介さない。

 メンバーは現在、24人。入会希望者も100人を超えており、空き待ちの状態だ。滝野さんは今春、会長を退き、一メンバーとして活動すると決めた。「創始者で最年長ということで、私の言うことが何でも通ってしまう状態。それはよくない。でも、私がどれだけ口出しを我慢できるかが勝負どころね」と笑う。

(2018年2月14日)

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