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仮想通貨絡みのマルチ商法に注意!!

被害相次ぐ

仮想通貨を使った投資商品の配当金が引き出せなくなった女性。申込書を見せながら「購入に慎重になるべきだった」と話す=関東地方で(一部画像処理)
仮想通貨を使った投資商品の配当金が引き出せなくなった女性。申込書を見せながら「購入に慎重になるべきだった」と話す=関東地方で(一部画像処理)

 インターネット上で取引される仮想通貨絡みのマルチ商法が問題となっている。仮想通貨の代表格である「ビットコイン」で高配当が支払われ、誰かを紹介するとボーナスが付くとうたう投資商品を購入したものの、お金を引き出せないなどの被害が相次いでいる。被害対策弁護団も結成されて、巻き込まれないよう専門家が注意を呼びかけている。 (細川暁子)

 関東地方の50代の会社員女性は昨年1月、友人男性から「ビットコインを使った高配当の投資商品がある」と聞き、興味をもった。友人は知人の女性から勧誘されて購入を考えているのだという。女性は独身で給料の手取りは約16万円。老後が不安で、お金を手早く増やしたいと思っていた。仮想通貨の仕組みはよく知らなかったがニュースなどで取り上げられていたため「今が投資のチャンスかも」と思った。後日、友人から「今度セミナーがあるので、行ってみようと思う」と電話があり、「自分も行きたい」と返事をした。

 翌月、友人と一緒に都内のマンションであった「D9club(ディーナイン・クラブ)」という法人のセミナーに参加。「リーダー」を名乗る男性から、法人はサッカーの賭け事で収益をあげているブラジルの投資会社で、1口約27万円の商品を購入すれば、52週にわたり毎週170米ドル分の配当金が付くと説明された。配当金はビットコインで支払われ、誰かを紹介するとボーナスが付く仕組みだという。

 「高配当で、いい商品。会社も安定していて安心です」とリーダーは自信たっぷり。友人は2口約54万円分を申し込んだ。「彼もやるなら安心」。女性も2口分を申し込み、その場にいた友人の知人女性に持参した現金を渡した。1週間後、会員サイトを開くと、配当分の金額が画面上に表示された。「本当に配当が付いた」と信じ込み、追加でもう2口を購入した。

 4月ごろ、会員サイトから約10万円分の配当金を引き出そうとしたが手続きが取れず問い合わせると、「サイトのアクセスが集中して、出金が滞っている」とのメッセージが送られた。だが友人も配当金を引き出せないことが分かり「おかしい」と気付いた。その後会員サイトは閲覧できなくなり、100万円以上を払ったのに今も配当金は引き出せない。「友人が購入したのにつられて自分も購入してしまった。慎重になるべきだった」と声を落とす。

 8月にはこうした被害が相次いでいるとして、東京都の「あおい法律事務所」が被害対策弁護団を結成。被害者は全国の20~70代の約200人に上り、女性も加わった。「D9club」など2法人に返金を求めて提訴する予定だ。

 女性が購入した商品は、配当が週利8%以上、年利約400%。弁護団の荒井哲朗弁護士は「経済常識に反する有り得ない投資」と話す。こうした通常では考えられない高配当をうたう投資情報は「高配当投資プログラム」の英語の頭文字を取って「HYIP(ハイプ)」と呼ばれ、ネット上で飛び交っている。

 高配当の一方、商品を販売する法人や組織の実態が見えないのも特徴だ。女性が契約したD9clubの場合、仲介役となった知人女性と法人の関係、「リーダー」を名乗る男性が法人ではどんな立場の人間だったのかはいずれも不明のまま。仲介役の女性は、現金を受け取った直後、「私の口座からビットコインで支払っておく」と話し、目の前でスマートフォンを操作したという。だが、送金先などを示す書類はなく、本当に送金されたのかさえ分からないままだ。

 友人などを介して広がるマルチ商法の危険性を指摘する声も。東海大法学部の石田清彦教授(企業取引法)は「マルチ商法は、勧誘する側も実は被害者が多く、だまそうとする悪意がないだけに、話を信じてしまいがちだ。簡単にお金が増えるおいしい話はないと心得て、誘われても安易にセミナーに行ってはいけない」と話す。

(2018年1月11日)

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