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トピックス 中日新聞ニュース

食中毒予防のポイントは

子ども、高齢者 予防徹底

 腸管出血性大腸菌O157の感染者数が例年よりも増えている。群馬、埼玉県の同じ系列の総菜店で買ったポテトサラダなどを食べた複数の人が感染したほか、北海道の介護施設では7月下旬からの1カ月で5人が死亡した。今年は、特定のタイプが流行しているのが特徴という。食中毒の発生は、気温の高い初夏から初秋にかけて多い。万が一感染した場合の症状や、家庭でできる食中毒対策を知りたい。(稲田雅文)

 「症状が出ない人から激しい腹痛や血便が出る人までさまざま。感染してから3~8日の潜伏期の後に症状が出るので、その間に何を食べたか、どういう行動を取ったかを思い出す必要がある」。O157による食中毒について、大腸菌の研究に携わった経歴がある藤田保健衛生大(愛知県豊明市)の柴田知行教授(消化管内科)はこう話す。

 激しい症状が出ている人の大腸を内視鏡で見ると、腸全体がむくんで赤くなり、ひどい場合は潰瘍ができることもある。治療は、菌を増やさないよう抗生物質を投与し、整腸剤の使用や水分補給をする。「激しい下痢の場合、下痢止めは飲まないこと。早く菌を出すべきなのに、腸にとどめることになる」

 感染した菌がO157だと分かった場合には慎重に経過を観察する。6~7%の人は、下痢などの症状が出てから5~7日後に溶血性尿毒症症候群(HUS)などの重い合併症を発症し、死に至る場合もあるからだ。「特に子どもと高齢者に起こりやすいので、この年齢層がいる家庭は注意が必要」と呼び掛ける。

 今年は、特定の遺伝子を持つO157が各地で見つかっているのが特徴だ。厚生労働省によると、VT2と呼ばれる毒素を出すタイプの患者の報告数は8月14日からの1週間で144件に上り、過去5年間で最も流行した昨年8月15日からの1週間の123件を上回った。国立感染症研究所がより詳しく遺伝子型を調べたところ、東京都や神奈川、千葉県など首都圏を中心に、三重、長野、滋賀県など計11都県で同じ遺伝子型のO157が見つかった。感染源が同一の可能性もある。

 広域発生の感染源を特定しようと、厚労省は1日、都道府県に対し、患者の食事内容や旅行先などを聞き取る調査を求めるとともに、学校給食での衛生管理を徹底するよう通知を出した。

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 予防法は一般的な食中毒と同じだ。菌を「付けない」「増やさない」「やっつける」が三原則となる。

 「付けない」は、こまめな手洗いが第一。調理者が触って菌が広がる場合があるため、調理の前はもちろん、肉や魚など菌が付いていることが多い食材に触った後にも手を洗う。購入した野菜はよく洗う。肉、魚を調理した後、別の食材を扱う前にまな板と包丁をよく洗うか、念を入れて熱湯消毒をする。野菜用と肉・魚用で別のまな板と包丁を用意すると確実だ。

 「増やさない」は、冷蔵や冷凍が必要な食材を、なるべく室温に置かないことだ。O157の場合、室温でも15~20分で2倍に増える。買い物をした後は速やかに自宅に戻り、冷蔵庫に食材を入れる。

 「やっつける」は、食材に火をよく通すことが大切だ。食中毒菌がいたとしても、中心部の温度が75度で1分以上加熱すると殺菌できる。

 腸管出血性大腸菌 牛などの家畜などの腸にいる大腸菌の一種で、食肉にする際、肉の表面に付く場合がある。O157やO111などの種類がある。激しい腹痛や水っぽい下痢、血便の症状が出て、ベロ毒素が重い合併症を引き起こす。1996年には大阪府堺市でO157に9000人以上が感染し小学生3人が死亡。2011年には富山、石川、福井、神奈川県の同じ焼き肉チェーン店で5人が死亡し、生の牛レバーの提供が禁止された。

(2017年9月12日)

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