弁護士役の福山雅治さん

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想像もつかないオファーが来る人でありたい

 格好いい。芝居ができる。歌もうまい。結婚もした。子どももできた。これ以上、何を望む。それでも立ち止まらない。芝居でも音楽でも「しんどさが常にある」と話す。理想を追い続けるからだ。9日公開の映画「三度目の殺人」では、殺人犯に心を揺さぶられる弁護士役を演じた。(金森篤史)

 天才科学者やエリート会社員、パパラッチなど幅広い役柄を演じてきたが、初めから演技ができたわけではない。初出演映画では、できないことを悔しいとすら思わなかった。次のテレビドラマで初めて悔しいと感じたという。

 その後、1992年のドラマ「愛はどうだ」が転機となる。故緒形拳さんとの共演が俳優として開眼するきっかけとなった。「緒形さんはセリフもト書きもない場面で、僕におもちゃを投げたり、頭を小突いたりと、いろんなことをしてくださった。お芝居って面白いと思い始めた」

 今作の相手役は初共演となる役所広司。「日本を代表する名優の役所さんが、どう出てくるか楽しみ」と撮影に臨んだ。演じるのは、裁判をビジネスと考えるクールな弁護士・重盛。容疑者三隅役の役所と、接見室で対峙(たいじ)する場面で、二転三転する三隅の供述に、重盛は翻弄(ほんろう)される。心理戦ともいえるこのシーンは、7回に及んだ。

 元々、演じるキャラクターを固めず、現場で作り上げるタイプ。まず役所の芝居を受けるところから始め、結局、最後までそれを続けた。それが最善だと判断したからだ。是枝裕和監督が「弁護士が、相手を探るつもりが自分が探られ、恐怖を覚える。非常にいいものが撮れた」と絶賛するシーンとなった。

 俳優歴は4半世紀を超えた。声や目線、所作などがどうあるべきかを試行錯誤してきた。「今度こそうまくいくんじゃないか、理想に到達できるんじゃないか、その繰り返しです」

 仕事とオフの切り替えはきっちりする。「日々、スイッチは切る。うちに帰ったり、食事をしに行ったりして、考えないようにしている」。今後については「自分が想像もしないようなオファーが来る人でいたい。何をするのか分からないと見られたい」と話す。

(2017年9月7日)

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