甲子園タオル回しSTOP

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「勝敗に影響」 大会本部が要請

タオルを振らず横に広げて応援する前橋育英高の生徒たち=兵庫県西宮市の甲子園球場で
タオルを振らず横に広げて応援する前橋育英高の生徒たち=兵庫県西宮市の甲子園球場で

 阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開催中の第99回全国高校野球選手権大会で、日本高野連などでつくる大会本部が、タオルを回す応援の自粛を出場校に求めている。プロ野球ではロッテや巨人のファンが行う人気の応援スタイルだが、なぜ甲子園ではダメなのか。(増井のぞみ)

 14日の2回戦。東海大菅生(西東京)の松井惇(あつし)選手(3年)が打席に入ると、3塁側の応援スタンドは、吹奏楽の演奏に合わせ、頭上に掲げたメガホンをくるくると回した。

 地方大会では、松井選手の打席で、チームカラーのしま模様のタオルを回す応援が定番。だが大会本部の自粛要請で、甲子園から変えた。勝利に貢献した松井選手は「メガホンも力になった」と語るが、「できればタオルを回す応援が良かった」と苦笑いした。前橋育英(群馬)も、甲子園ではタオルを全員で掲げるスタイルに変えた。

球場全体に拡大、応援偏る

 大会本部が自粛を求めた背景には、昨夏の大会の「教訓」があるという。

 4万7000人が詰め掛けた2回戦の東邦(愛知)−八戸学院光星(青森)戦。9回裏で4点差をつけられ、敗勢の東邦のアルプス席がタオルを回す応援を始めると、観客もタオルを一緒に振り始め、球場全体に広がった。すると東邦は一挙5点を挙げ、逆転サヨナラ勝ち。試合後、八戸学院光星の投手は「全員が敵かと思った」と肩を落とした。

 高野連の竹中雅彦事務局長は、この試合について「高校野球は教育の一環で、フェアプレーが基本。それなのにタオル回しによって応援が一方に偏る異様な雰囲気が球場を支配し、勝敗に影響した」と語る。今春の選抜大会でも自粛の要請をしていたという。

 スポーツライターの小川勝氏によると、タオル回しの応援は、1975年に米国のプロアメリカンフットボールのチーム応援でファンが黄色いタオルを回した「テリブルタオル」が元祖の可能性があるという。

 野球界では、91年の米大リーグ・ワールドシリーズで、ミネソタ・ツインズのファンが白いハンカチを回して応援し、劇的な優勝を遂げた。それが他チームに広まり、日本にも伝わった。高校野球では2年ほど前から急増した。

 タオル回しが球場全体に広がりやすいのはなぜか。

 高校野球の吹奏楽応援を研究している梅津有希子氏は「昨夏の東邦もそうだったが、タオル回しは、プロ野球・千葉ロッテマリーンズの応援歌とともに行われる場合が多い。この応援歌は闘争心をあおり疾走感がある曲で、ファンも乗りやすい。その影響もあるのでは」とみる。

 地方大会ではOKだったタオル回し応援が甲子園で見られないのは残念だが、前出の小川氏は「プロ野球の場合、それぞれの本拠地で試合をするため、球場全体で一方のチームを応援するのはお互いさま。しかし、高校野球は甲子園が全ての学校にとって第三の地となる。全観客が一方だけの応援に同調しないよう、タオル回しの自粛をお願いするのは仕方ないのではないか」と話している。

(2017年8月17日)

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