個人情報は扱い慎重に 不当請求は拒んで 相談窓口も
新入学や就職で心弾む春は、一人暮らしを始めた若者などを狙う悪質業者の動きが活発になる季節でもある。若者が巻き込まれやすいトラブルと注意点をまとめた。 (境田未緒)
■キャッチセールス
繁華街で「アンケートをお願いします」などと声を掛け、店に誘ってエステティックや宝石などの契約をさせる。中でもエステのトラブルが多く、名古屋市消費生活センターでは、本年度、キャッチセールスで寄せられた苦情や相談の半数近くを占める。
20代の女子学生は街中でアンケートに答え、記入した電話番号をもとに後日、エステ無料体験に誘われた。38万円の痩身(そうしん)エステを「分割払いにすれば大丈夫」と勧められ、契約してしまった。
別の20代女性は、駅前で男性に「ネイル検定を受けるので練習台になって」と呼び止められ、ネイルサロンへ。エステの無料体験を紹介され、エステサロンで美顔など計180万円の契約を結ばされた。
「無料」に惑わされないのが第一。安易に個人情報を書かない注意も必要だ。
■出会い系サイト
携帯電話の出会い系サイトのトラブルは、アダルトサイトと違って女性の被害も多い。同センターによると10代、20代では女性の被害が男性を上回る。
10代の女子学生が占いサイトに登録したところ、出会い系サイトから多くのメールが届くように。その中の一つに「2000万円を送金するのでVIP会員登録を」とあり、5000円を支払った。その後、ほかのサイトからも一斉に登録料を請求され、登録削除を申し出たが、拒否された。
サイトで知り合った人とメール交換するにはポイント購入が必要なケースが多く、高額な登録料や退会料を要求される場合も。知り合った人とメールで会う約束をしたのに、会うのを引き延ばされたままポイント購入費がかさむ例が多い。同センターに本年度、寄せられた相談で、代金を支払った人の被害額は平均52万円。不当な請求は拒否し、個人情報を知らせないことが大切だ。
■ネットトラブル
携帯電話やパソコンを使ったネットオークションは、前払いしても商品が届かなかったり、届いても偽ブランド品だったりすることがある。出品者と連絡が取れず、返品できないトラブルも起きている。
個人輸入代行業者を利用して健康食品などを購入する場合、海外業者だとトラブルになっても対応が難しい。全国消費生活相談員協会中部支部の加藤貴子支部長は「安易にクレジットカード情報を入力する人がいるが、本当に信用できる業者か確かめて」と話す。
■マルチ商法
ピラミッド型の販売組織で、加入者が新たな人を組織に加入させるなどすると利益が得られる仕組み。「いいもうけ話がある」などと友人に誘われ、加入する若者が多い。
学生への勧誘を禁止する会社が多いが、学生にアルバイト先を勤務先として記入するよう指示する勧誘者もいる。消費者金融から金を借りて商品を買い、売れないまま、誘った友人からも避けられるようになる被害も。「うまい話はない」と思ったほうがいい。
消費生活センターに相談を
キャッチセールスなどを含む「訪問販売」は契約書を受け取ってから8日以内、マルチ商法は20日以内であれば無条件で契約を解除(クーリングオフ)できる。
クーリングオフ期間が過ぎていても、勧誘方法やサービス内容によって、契約の取り消しや中途解約ができる場合もあるため、最寄りの消費生活センターに相談すると良い。
センターの電話番号が分からない場合は消費者ホットライン=電0570(064)370=に電話すると、最寄りの相談窓口などにつながる。ただしIP電話など一部の電話からは利用できない。
(2010年3月11日)
