特集 Part1.女性のカラダQ&A Part2.妊娠出産☆新常識
トップ Q1.月経不順 Q2.プレ更年期障害!? 経験者に直撃!高齢出産リアル座談会
Q3.ピルの服用 Q4.乳ガン・子宮ガン 高齢出産必勝マニュアル
Part2 アラサー&アラフォーの妊娠出産☆新常識 高齢出産必勝マニュアル

 今すぐ産みたい人も、いつかは産みたい人も、悩みや不安は様々です。リスクが多いと言われる高齢出産ですが、本当のところはどうなの? そこで、高齢出産について専門家の先生に伺いました。また、自分の“産み時”に産むためのカラダ作りについてもアドバイス。

1 高齢出産は年々増加傾向
2 母子に与える影響は?
3 不妊治療の現状
4 「産めるカラダ」のための5ヶ条
お話しを伺った先生 成田病院(名古屋市) 副院長 上條浩子先生 平成3年より成田病院勤務。不妊症、婦人科内分泌疾患の検査治療に力を入れるほか、産科外来、婦人科外来も担当。
1 高齢出産は年々増加傾向

 日本では35歳以上の初産の場合を高齢出産と定義していますが、実際には、そういったケースは今はあまり珍しくないですね。うちの病院のデータでは、近年5年間で35歳以上の初産は23.5%、40歳以上は4%で、確実に増えていると思います。

2001年~2005年の初産分娩件数 成田病院(2001年~2005年)初産婦
2 高齢出産が母子に与える影響は?
子宮や卵巣も老化します。実年齢と子宮、卵巣年齢には隔たりがあることも。

 母子に与える影響としては『流産率が高い』、『帝王切開での出産が多い』、『染色体異常によるダウン症の率が高い』などです。

 流産は30代前半で約10%、35歳以上で約20%、40歳代で約40%となっています。流産率が高くなるのは、卵細胞そのものの年齢的変化が要因です。見た目や精神的に若い方でも、卵子の老化は避けられません。老化した卵子は妊娠しにくく、流産のリスクが高くなります。また、妊娠が継続できても、染色体異常のケースがあります。ダウン症率は35歳の出産で0.3%、40歳で1.1%、43歳で2.6%です。

 帝王切開での出産が増えるのは、子宮の老化が主な原因ですが、年齢による大差はないとするデータもあり一概には言えません。また、自然分娩が可能であっても、大事をとって帝王切開を選択する場合もあります。

母体の年齢別自然流産率 名古屋市立大学病院(1989~94)
年齢別分娩様式(初産婦) 成田病院(2001年~2005年)

 どんな数値もデータを並べてしまうと否定的になりがちですが、高齢だからといって出産妊娠をあきらめるほど心配な数値とは言えません。40歳以上でもまったく問題なく出産する人も多く、個人差の方が大きいのです。

3 不妊治療の現状

 現在日本で行われているのは主にART(生殖補助医療)、いわゆる体外受精、人工授精です。成功率は体外受精で1回当たり平均30~40%ほどですが、45歳を過ぎると平均と比べて成功率が低くなり、これは、技術が発展しても改良するのが難しい点です。

体外受精・女性の年齢と妊娠率 成田病院

 不妊治療はART以外にも、卵細胞の若返りを図る核移植や細胞質移植、卵子提供といった方法があります。これらはすでに技術的には可能ですが、倫理的な問題をはらんでいるため日本では認可されておらず、一般の方の不妊治療に用いられるという方向性はまだ見えないのが実状です。また、最近では小児がんや白血病患者の将来の妊娠出産のために、卵細胞の凍結保存が始められています。

4 「産めるカラダ」のための5ヶ条
★体力づくり

 妊娠出産はカラダへの負担がとても大きいことなので、運動不足は大敵です。また、育児は想像以上に体力を使いますので、いつか産む日のために体力維持を心がけて。

★前向き思考で過ごす

 同じ年代でも、妊娠出産には個人差がすごくあります。不妊治療はネガティブな人よりも、くよくよしない人の方が不思議と結果がいいのです。日頃から前向き思考で過ごしましょう。

★婦人科検診を受ける

 定期的に婦人科検診、子宮がん検診を受けることをおすすめします。子宮内膜症や子宮筋腫など不妊の原因となる病気は様々で、自覚症状がないケースも多々あります。

★カラダを冷やさない

 冷房のきいた部屋に一日中いたり、薄着で足腰やお腹を冷やしたりすると、血流が滞り、骨盤や子宮の血行が悪くなります。足腰やおなか周りは冷やさないように。

★同じ姿勢で長時間過ごさない

 長時間同じ姿勢を続けていると、筋肉がこわばり、血流が滞ります。座りっぱなしの仕事が多い人などは、合間にカラダをほぐす習慣をつけましょう。