山田美紅羽さんとヤマト


やまだ・みくう 2005年、東京都生まれ。小学3年生でデビュー以降、映画『母と暮せば』(DVD発売中)のすみれ役、ドラマ『下剋上受験』(DVD発売中)に加え、舞台などでも活躍中。
仕事運もたらすミラクルな「弟」
1月から3月まで放映されたテレビドラマ『下剋上(げこくじょう)受験』で主役の娘役として活躍した山田美紅羽さんのペットは、猫のヤマト。利発そうな瞳をした不思議な魅力を持つ。
出会いのきっかけは、WOWOWのドラマ『グーグーだって猫である2第4話』に、「やまと」という名の猫をもらう役柄で出演したことだった。
「受験生の役で、友達と遊べないので譲り受けた猫と遊ぶ、という設定でした」
猫は、犬とは異なり訓練にあまり慣れず、テレビ番組で使うのは難しいこともあるとされるが、ヤマトは非常に頭がよく、番組の中でも山田さんと息の合った「演技」をして心が通い合っていた。そのため、番組終了後も離れがたい気持ちになったという。
「このまま家で飼いたいと両親に頼みました。家では猫を飼うのは初めてだったし、最初はダメと言われました。両親を説得するのも大変でしたが、かなり長い間、話し合いをした結果、やっと許してもらえたのです。もううれしくてたまりませんでした」
こうして山田家に迎え入れられたヤマト。名前は役柄と同じだが、表記はひらがなの「やまと」からカタカナの「ヤマト」に変更した。
「家に来てまだ1年ですが、一人っ子の私にとっては弟のような感じかな。ニャーと甘えてきたり、甘がみをしたりして、すごくかわいい」
それだけではない。ヤマトは山田さんにとって、福の神、ラッキーキャットになったのだ。「偶然かもしれないのですが、ヤマトが家に来てから『仕事運が上昇した』って、みんなでびっくりしているんです。本当に仕事に恵まれるようになりました」
山田さんが外で仕事をしているのを知り、留守番中に成功を念じているようだ、とも。
「仕事が始まる前、お母さんがお父さんに『今から撮影が始まるよ』と電話をかけると、それまでは家で寝ていたヤマトが起きてくるそうです。仕事が終わって、『今、終わったよ』と電話をすると、ヤマトも安心したかのように眠ると言います。そのタイミングが私の仕事時間とぴったりなので、家ではヤマトのことをプロデューサー、ヤマトPと呼んでいます」
小学2年生の時、芸能界を目指し、自らオーディションを受けた山田さん。好きな言葉は「ミラクル」だが、これからもさまざまな奇跡を起こしてくれるのがヤマトの存在かもしれない。
「将来の夢は女優さんになること。そしてヤマトにハーネスをつけて散歩をしたい」
夢の実現も近そうだ。
(文・宮西ナオ子、写真・圷真一)