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井元剛さんに抱かれた愛猫のモモとクロ=東京都内で
井元剛さんに抱かれた愛猫のモモとクロ=東京都内で
プロフィール

 いもと・つよし 1979年生まれ。東京都出身。コンピューター専門学校からウェブシステム会社を経てフリーランスとしてシステム開発に携わり、人工知能(AI)開発に従事。2016年、株式会社9DW設立。一般社団法人人工知能学会会員、東京デザイナー学院講師。

井元剛さんとモモ、クロ 猫 (メス 推定1歳半、オス 推定2歳半)

保護された過去
一緒に心癒やす

 人工知能(AI)開発者として活躍している井元剛さんのペットは、猫のモモとクロ。

 「4歳の息子が猫を飼いたいというので、妻が保護団体の中から探しました。最初に知ったのはモモ。生後3カ月くらいの時、土の中に埋められた経験がありました」

 モモは団体が保護している猫の中でも最も警戒心が強かった。会いにいってもおびえて隠れてしまう。その時、黒い猫が愛想よくそばに来た。これがクロだ。母猫にネグレクト(育児放棄)され、衰弱していたところを保護されたという。

 団体から「同じ仲間として一緒に飼われたらどうですか」と提案された。いったん家に戻って家族会議を開き、最終的に2匹を家族に迎えることを決めた。とはいえ、心の傷が深いモモは新しい環境になかなかなじまず、おびえたまま引きこもり状態が続いた。

 「最初の1週間はモモがご飯も食べない。家族の前にも出てこない。心配しましたが、社交性のあるクロが、モモの様子を見てくれました」

 井元ファミリーにすぐに溶け込み、おもちゃ遊びなどをしているクロの楽しそうな様子を見ているうちに、モモも安心したのだろう。ある時、クロに促されるように、モモがやっと家族の前に出てきた。ここが安心できる空間であることを理解したようだった。

 「それでも半年間くらいは、見知らぬ人が家に来ると、どこかに隠れて気配を消していましたけれどね」

 徐々にではあるがモモの恐怖心は癒やされ、1年が経過するころには、すっかりくつろぎ、今では自らおもちゃをくわえてきて、「遊んで、遊んで」と誘ってくるほどに。

 「今のモモはお嬢さまとしておいしいものを食べて育っているし、かわいい顔をしてこちらを見上げ、甘えるように『ニャー』と鳴く。愛らしさに負けて、ついつい一緒に遊んでしまいます」

 できればいつまでも猫たちと遊んでいたいが、この2匹が来たころから世界的にAIブームが起こり、井元さんは会社を設立。仕事が急増し、家族だんらんの時間が減少した。

 「1人息子が寂しいのではないかと心配でしたが、夜中に帰るとクロと一緒に寝ています。クロは息子に何をされても怒らないし、爪もたてない。されるがまま。兄弟のように思っているのかな?」

 井元さんの仕事にも大いに役立ってくれている。「動物の健康状態を知るプロジェクトで、彼らがデータ作成に協力してくれます」

 今後もAIを取り入れた動物関係の開発を積極的に行いたいという井元さん。モモもクロも立派にサポートしてくれるだろう。

 (文・宮西ナオ子、写真・高嶋ちぐさ)