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“「気は優しくて力持ち」と愛犬ハーシーに目を細める藤井里佳さん=埼玉県内で
“「気は優しくて力持ち」と愛犬ハーシーに目を細める藤井里佳さん=埼玉県内で
プロフィール

 ふじい・りか 桐朋学園大音楽学部打楽器専攻卒業。同大と、名古屋芸術大等で、講師を務めている。日本打楽器協会主催の「第18回新人演奏会」で最優秀賞新人賞受賞。2012年にパーカッションデュオ「うたり」を姉、藤井はるかさんと結成。

「うたり」の藤井里佳さんとハーシー ★ラブラドルレトリバー(オス 9歳)

打楽器一家守る
心優しい2代目

 パーカッションデュオ「うたり」として、北米やヨーロッパなどで活躍している打楽器奏者の藤井はるかさんと藤井里佳さん姉妹。現在、姉のはるかさんは米国に住み、妹の里佳さんは日本で活躍中。

 藤井家を守るのはラブラドルレトリバーのハーシー。毛色が珍しいこげ茶色で、米国で人気のあるハーシーのチョコレートのように見えるために名付けられた。

 「この子は2代目。初代のラブラドルは私が中学生の時、家に来ました。アッシュと名付けた男の子。その子が10歳の時、ハーシーが来たのです」

 建築家の父が家を設計した際、そのお礼にプレゼントされた。子犬といっても、柴犬を一回り大きくしたほどあったが愛らしく、家族のマスコットに。しかし先住犬のアッシュは焼きもちを焼き、大暴れ。それでも徐々に慣れ、やがて2匹はよい関係を築いていった。

 「アッシュもハーシーも男の子ですが、父は、女性ばかりの家庭で男子の味方が欲しかったのかも(笑)」

 アッシュを躾(しつけ)るとき、半年間訓練所に預けた。しかし成果はあまり見られなかった。それどころか厳しい訓練で、何か心に傷ができたようで、おびえる態度が見受けられたので、ハーシーは預けずに家で躾を施した。

 その結果、番犬としての役割は十分。散歩中は元気いっぱい。とはいえ、撮影時にはきちんと命令に従う聞き分けの良さがある。

 「この子が3歳のときにアッシュが老衰で亡くなりました。私はイタリア公演旅行中だったので、最期を看(み)とることができませんでしたが、ハーシーはアッシュの死に際して、神妙にしていたようです。そして『これからは僕が藤井家を守るからね!』というような、強い決意がうかがえ、急に大人になりました」

 その後、里佳さんも結婚し家を出て、今では両親とハーシーだけの生活となった。マリンバ奏者としても多忙な母の藤井むつ子さんにとって、ハーシーを散歩させることは体力的にも無理があるので、現在はもっぱら父が散歩係となっている。

 「力は強いですが、気持ちは優しい。気が強いチワワなどがガウっと向かってきたら、その場を穏便に済ませようと、抜き足差し足で、目を伏せ通り過ぎます。けんかが嫌いな平和主義ですね」

 ハーシーの居場所は玄関と玄関前にあるポーチだが、マリンバのあるスタジオにも近く、演奏の音を楽しみながら生活している。秋には公演のため、米国からはるかさんが帰国し、久々に家族がそろう。ハーシーが大喜びし、ますますはしゃぎ回る姿が、今から目に浮かぶようだ。(文・宮西ナオ子、写真・稲岡悟)