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木暮ウルヅラさんとロビ太(下)、小春。ピアノの上のウクレレは、先代ロビをしのぶ特注の一品=東京都内で
木暮ウルヅラさんとロビ太(下)、小春。ピアノの上のウクレレは、先代ロビをしのぶ特注の一品=東京都内で
プロフィール

 こぐれ・うるづら 東京都出身。父はドイツ人、母は日本人で声楽家。東邦音楽大卒。コンサート活動のほか、音楽教室で後進を指導。ウィーンの音楽と歌を楽しむ「ヴィーナーリートの会」講師。CDに「Freude・よろこび」。活動情報は本人のホームページで。

木暮ウルヅラさんとロビ太、小春 ★柴犬(オスとメス いずれも10歳)

モーツァルトが
しつけの支えに

 日本犬らしい立ち耳、素朴な愛らしさを持つ柴犬には、根強いファンが多い。ソプラノ歌手の木暮ウルヅラさんも、柴犬をこよなく愛する一人。初代の「ロビ」に続き、現在はオスの「ロビ太」、メスの「小春」の2匹と暮らしている。

 「最初に柴犬を迎えたのは、結婚した翌年でした。犬を飼う話になり、夫が『犬なら柴犬(シバ)しかいない』と」

 ぺット店で見つけたロビは、売れ残りらしく値下げされていたが、穏やかな性格で、素晴らしい家族となった。粗相など一度もせず、人混みや花火の音さえ平気で、あちこち一緒に出かけた。12歳で死んだ後、その姿をイメージしたウクレレを特注した。「抱いて奏でるたび、ロビが一緒にいるような気がします」

 同じペット店に再びオスの子犬を頼んだ。先代にちなみロビ太と命名。店にメスの子犬もいたので、一緒に飼うことにした。小春日和だったので、小春と名づけた。

 ところがこの2匹、初代とはあまりに違っていた。

 「2匹の性格は初日から一目瞭然でした。ロビ太はハウスに入れるとクンクン鳴き続け、とても怖がり」

 一方、「小春は『ここに、もう3年住んでます』みたいな余裕の表情。賢いけれど、いたずらもパワフルで、分厚いイタリア語の辞書をバラバラにしたり」。

 2匹の序列はすぐに確定。もちろん小春が上だ。臆病なロビ太は、木暮さんを悩ませた。犬の美容室にシャンプーに連れていくと、おびえて舌が真っ青。爪切りも麻酔をしてすることに。散歩に出れば車にも自転車にもほえまくり、何かに驚いた拍子に木暮さんにかみついてしまう。

 「これは何としてもロビ太を変えなければと決心しました。私のお手本は小春です。ロビ太は決して小春にかみついたりしない。小春には体を張ってダメ!という断固とした強さがあるからです」

 木暮さんもズボンの2枚重ねで完全防備し、強い気持ちで攻撃をやめるよう教え込んだ。やがてロビ太のかみ癖は消えた。初めて木暮さんが爪切りをした時、ロビ太は木暮さんの手をペロッとなめた。優しい柴犬の表情だった。その爪は記念に保存してある。

 「大変でしたが、今となってはいい思い出です。しつけの日々を助けてくれたのは、モーツァルトの『クラリネット五重奏曲』でした。これが子守歌となって2匹はおとなしく眠ってくれたし、私もリラックスできました」

 最近は大人の落ち着きを感じさせるロビ太と小春。ロビ太は時折、木暮さんの発声練習に合わせて、自分も歌声?を上げている。(文・宮晶子、写真・五十嵐文人)