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山口恵以子さんと白猫ボニー、黒猫エラ。気ままな2匹に振り回される日々とか=東京都内で
山口恵以子さんと白猫ボニー、黒猫エラ。気ままな2匹に振り回される日々とか=東京都内で
プロフィール

 やまぐち・えいこ 1958年、東京都生まれ。早稲田大文学部卒業。脚本の構想を多数作成、その後、都内の社員食堂に勤務しながら小説を執筆。2007年に「邪剣始末」でデビュー。13年に「月下上海」で松本清張賞受賞。エッセー集「おばちゃん街道 小説は夫、お酒はカレシ」。

山口恵以子さんとボニー、エラ ★猫 (オス、メス ともに3歳)

激しい愛情表現
翻弄される日々

 「食堂のおばちゃん」として働きながら小説を書き続け、3年前、松本清張賞を受賞した山口恵以子さん。現在は専業での作家活動に加え、テレビのコメンテーターなども。家では家事のほか89歳の母の介護も担う超多忙な日々だ。

 そんな山口さんの愛猫は、青い目が美しい白猫「ボニー」と、愛嬌(あいきょう)のある表情の黒猫「エラ」。2匹はいつも飼い主の疲れを癒やしてくれる存在かと思いきや・・・。

 「毎日振り回されて大変です! ボニーは、かむわ引っかくわの乱暴者。エラはいたずら好きの知能犯で、目が離せません」

 昔から猫を飼ってきたという山口さん一家。だが少し前、山口さんにとって“生涯最高の猫”を亡くした後は、飼っていなかった。そこへ、近くの猫ボランティアから保護猫ボニーを紹介された。

 仕事が忙しくなっていたこともあり断ろうかと思ったが、母が乗り気になり、飼うことに。すぐ後に、かかりつけの動物病院にいた保護猫エラも迎えることにした。

 母は「白猫と黒猫を一緒に飼うのが夢だった」と喜び、2匹とも「風と共に去りぬ」のヒロイン、スカーレット・オハラの娘の名から命名した。

 猫たちは高齢世帯を一気に明るくしてくれた。だが同居する兄は毎日仕事で出ていて、世話は全て山口さんに。

 「ボニーは愛情表現そのものが荒いんです。好きなブラッシングをしている時も引っかいてくるので、私の腕は傷だらけ。家中の引き出しを開けて中を物色したり。エラはパソコンのキーボードを踏んで動かなくしてしまったりしたことも!」

 ハラハラする山口さんをよそに、若い2匹は階段や戸棚に駆け上っての運動会。時には、空中でXという字を描くように交差するアクロバットを披露する。

 仏壇は2匹がいたずらするので閉じたまま。松本清張賞の正賞としてもらった置き時計も飾ることができない。翻弄(ほんろう)され、ため息が漏れる毎日。だがこんな2匹にとって、山口さんは母親的存在。

 「この前、私が具合が悪くて1日寝ていた時、2匹がトイレにもいかず、ごはんもねだらず、ずーっと私の横についていました。この子たちは私だけが頼りなんだなあとしみじみ思いました。結局猫好きは、猫がいない気楽な生活よりも、猫のいる不便な生活を選んでしまうんです」

 家族3人が居間でおしゃべりしていると、いつの間にかボニーとエラもやって来て、はしゃぎ始める。猫たちも一家だんらんの幸せに心躍らせているのだ。

  (文・宮晶子、写真・五十嵐文人)