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セキセイインコの(右から)「キーたん」「ともたん」と林家正雀さん(右)、妻の早苗さん。「落語家はトリが大事です」=埼玉県内で
セキセイインコの(右から)「キーたん」「ともたん」と林家正雀さん(右)、妻の早苗さん。「落語家はトリが大事です」=埼玉県内で
プロフィール

 はやしや・しょうじゃく 1951年生まれ。山梨県出身。8代目故林家正蔵(後の彦六)さん最後の弟子となり、芝居噺(ばなし)を継承。師匠他界により故橘家文蔵さん門下に。83年真打ち昇進。92年2度目の芸術祭賞受賞。活動情報は本人の公式サイト「雀(すずめ)のお宿」で。

林家正雀さんとキーたん、ともたん セキセイインコ(どちらもオス 推定8カ月)

歌好きの仲良し
落語はお預け?

 名前に「雀(すずめ)」の字があるだけに、鳥に縁がありそうな落語家の林家正雀さん。10年以上前からセキセイインコを飼っており、現在の2羽は昨年夏に迎えた「キーたん」と「ともたん」だ。

 なかなか人懐こい様子だが、正雀さんの家では、ある決まり事がある。「決してインコを籠の外に出すべからず」。手に載せたりするのはもちろん、部屋で遊ばせるなど、もっての外なのだ。

 「というのも、ここだけの話、以前、かわいがっていたインコに逃げられてしまったことがありましてね」と話し始めた。

 最初に飼ったのは、息子さんが小学校低学年の時。自分の小遣いで、妻の早苗さんにインコのひなをプレゼントした。名は「ピーたん」。早苗さんはスポイトで餌を与え、大切に育てた。ピーたんは早苗さんを母のように慕い、いつでも後をついてきた。電話をしていると、構ってほしくて、電話機に乗り通話を切るほど賢かった。

 ところが1年ほどたったころ、早苗さんがバルコニーに洗濯物を干そうと窓を開けた時、一瞬のうちに外に飛んでいってしまった。

 「泣きながら捜したが、見つからず。息子が帰ってきたら、がっかりすると思い、ペット店に走り、ピーたんそっくりのオスと、メスも買ってきたんです。つがいになると、ピーたんも人より鳥と一緒にいたくなるんだよと言い訳しようと思って」

 そのうち息子が帰宅し、小鳥をじーっと見てポツリ。「ピーたん、何か違う」

 しかし息子も子どもなりに微妙な空気を感じ取ったのか、以後、二度と疑念を口にすることはなかったという。

 「そんなこんなで代わりの2羽は無事にわが家に納まり、8歳まで長生きしました。ただし、もう決して籠から出さないことにしたんです」

 “2代目”に迎えた「キーたん」「ともたん」は、ペット店にいた時から、2羽一緒に籠に入っていた仲良しだ。

 初めはあまり人に慣れていない様子だったが、早苗さんが毎日歌を歌って聞かせるうち、首をかしげてリズムをとるようになってきた。

 となると、次に教えてみたいのはおしゃべり? 正雀さんの得意とする落語に、人間の女の姿にされたカラスが男と夫婦になる「水神(すいじん)」や、ついたてに描かれた雀が絵から出たり入ったりする「抜け雀」など、面白い鳥の話がある。インコたちに教えたら、話のさわりくらい話せるようになったりして?

 「いや、教えませんよ。だって私より噺(はなし)がうまくなったら困るじゃないですか」(文・宮晶子、写真・木口慎子)