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深田崇敬さんのつくる水槽は、自然を再現した世界。魚たちも生き生きとしている=東京都内で
深田崇敬さんのつくる水槽は、自然を再現した世界。魚たちも生き生きとしている=東京都内で

プロフィール

 ふかだ・たかゆき 1969年生まれ。愛知県岡崎市出身。武蔵野美術大卒。グラフィックデザイナーとして働く傍ら、水景演出家として活動。「世界水草レイアウトコンテスト」で、2013年金賞、14年銅賞、今年はグランプリを獲得。

深田崇敬さんと熱帯魚たち

水槽に自然再現
生き生きと泳ぐ

 「憧れは、パンタナール大湿原(ブラジル)の世界です」

 水槽の中に豊かに茂った水草。その風景を楽しむように泳ぐ熱帯魚たち。まさに南米の湿原を切り取ったような、みずみずしい光景だ。

 水景演出家として、アクアリウムを楽しんでいる深田崇敬さん。この夏、世界から2545作品が集まった「世界水草レイアウトコンテスト2015」で、見事グランプリを獲得した。

 深田さんがつくる水槽は、ネーチャーアクアリウムともいい、水草、魚、微生物の相互作用で自然と同じ生態系をつくりながら、美しい水中風景を表現するもの。

 「まさに自然の縮図といえます。例えばこのエンゼルフィッシュの水槽は、魚も植物もブラジル原産が中心。魚たちが、ここが本来の自分の居場所だと思ってくれることで、自然のままの生き生きとした姿が見られるのです」

 自宅マンションの一室には、幅1メートルを超える水槽がいくつも。どれも森のように多彩な水草やコケが育ち、小さな熱帯魚たちが泳ぐ。

 子どものころから川で魚を捕り飼育していたという深田さんだが、本格的にアクアリウムを始めたのは9年前。

 「まずメダカの小さな水槽から始めました。水草がすぐ枯れるので、二酸化炭素を入れてみたら大成功。そこから面白くなりましたね。自然と同じ光合成の環境をつくり、生態系の循環ができあがると、草も魚も元気に成長していきます」

 現在主流のエンゼルフィッシュたちは、まだ3、4歳。十数匹いるが、よく見ると大きさも動き方も違う。先頭にいる大きいのが“ボス”らしく、みんなを引き連れて泳いでいる。

 他にも体に輝くラインがあるイグアノディクティスや、水面でせっせと残った餌を食べる掃除役プレコなどがいて、見ていると飽きない。

 「光や酸素ポンプなどは機械をセットしておけばいいですが、餌やりは必ず自分でやります。餌といっても粉状の動物プランクトンですが、魚たちの顔色を見ながら量を加減し、少しずつ水中になじませるんです」

 魚がぐずったり、様子がおかしいときは、一刻も早く対応する。ストレスが原因らしいときは別の水槽に移して環境を変えたり、水カビなどによる病気なら薬浴させたり。きめ細かい世話が必要なため、家にいる日は、ほとんど水槽の隣で過ごしているとか。

 「最初はオタク文化だと思われていましたが、この水槽の魅力は盆栽などにも通じ、世界中に仲間が増えているのが楽しいです」

 (文・宮晶子、写真・圷真一)