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エラフスホソアカクワガタを肩に、笑顔を見せる谷口國博さん=東京都内で
エラフスホソアカクワガタを肩に、笑顔を見せる谷口國博さん=東京都内で
プロフィール

 たにぐち・くにひろ 長野県出身。創作あそび作家。雑誌や新聞等に執筆中。NHKEテレ「おかあさんといっしょ」の体操コーナー「ブンバ・ボーン!」の作詞・振り付け等で人気を呼ぶ。CD「ひろみち&たにぞうの全力!!運動会!」を3月に発売。

谷口國博さんとクワガタムシ

標本作りプロ級
美しい姿に夢中

 創作あそび作家の「たにぞう」こと谷口國博さんが大切に育てているのは、エラフスホソアカクワガタ。この種の中では最大級で、体長は10センチ以上になることもある。立派な大顎が鹿の角のようなので、鹿を意味するエラフスの名前が付いたとか。寿命は1年ほど。

 このクワガタムシを胸に、嬉(うれ)しそうな谷口さん。他にも飼育している秘蔵の昆虫たちのために、自宅には特別な昆虫室を作ってしまった。昆虫専用エアコンも完備。個体による室温の調節に加え、部屋全体を防音にして慎重に育てている。

 「子どもの時、長野県に住んでいて、学校まで片道4.5キロメートルの道を通っていました。その時の楽しみはクワガタを捕ることでした」

 時には樹木から川に落ちてしまったことも。そんなときでもクワガタムシを手から離さなかったというほどのクワガタ好き。自然の中で伸び伸びと育った少年は、長じても自然を愛し、理解する人になり、現在は、森の親善大使と沖縄県の渡嘉敷村観光大使を務めている。野鳥の声を聞き分けるだけではなく、アカショウビンを指笛で呼ぶ特技も持つ。南の海ではウミガメやマンボウ、ザトウクジラと泳いだことも。

 「1998年に結婚して、ここの土地を購入、家を建てました。自然の豊かな所で子育てをしたかったのです」

 東京都内でありながら環境は抜群の地。裏山には野生動物や野鳥、昆虫もたくさん生息しているという。

 「キツネやタヌキ、ハクビシンに加え、最近ではイノシシまで出没(笑)! 自宅の軒にはシジュウカラが巣を作って子育てをしていました」。そして再び、クワガタムシやカブトムシに夢中になった。

 「昨年、子どもが初めてヒラタクワガタという珍しいクワガタを捕りました。そこでペットショップに行ったら、図鑑に載っているようなクワガタがいて、そのフォルムのかっこ良さに魅了された」

 それから一気に、クワガタムシへの関心が高まった。

 「クワガタを捕ったら、大切に育て、繁殖させます。幼虫をふ化する喜びがあります。でも親の方は寿命で死んでしまうわけですが、その亡きがらを標本にすることによって、いつまでも美しい姿をしのぶことができます」

 最近は標本作りもプロ並みに。標本数は既に1000点にもなるという。

 「本物を見ることで、自然が生んだ素晴らしい造形の姿に感動します。自分の家のすぐそばの里山や公園にすんでいる昆虫たちのことを知れば知るほど、日常生活も楽しく、味わいが深くなります」

 宝石のようなきらめきを放つ標本にも、谷口さんが愛情たっぷりに育ててきた丁寧さや思いがあふれていた。(文・宮西ナオ子、写真・由木直子)