ペット大好き!情報
雨田光弘さんの練習室で、ちょっと緊張ぎみのコウ=東京都内で
雨田光弘さんの練習室で、ちょっと緊張ぎみのコウ=東京都内で
プロフィール

 あまだ・みつひろ 1935年生まれ。東京都出身。桐朋学園大でチェロを学び、日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者を経てソロに。幼少期から絵も描き始め、多くの絵本や本の挿絵などを担当。詳細は「 アマネコ舎 」のHPで。

雨田光弘さんとコウ 猫(オス 17歳)

きょうだい一緒
自由な日々楽し

 今年80歳になる今も、現役チェロ奏者、画家として活躍する雨田光弘さん。音楽と猫をテーマにした絵画は、カレンダーやクリアファイルなど身近な品になり、猫好きの人気を集めている。

 雨田さんはこれまで、10匹ほどの猫と暮らしてきた。最初に生活を共にしたのは30年ほど前、妻が近所で拾ってきた子猫だった。

 「ジャリと名付けたメスでしたが、これがとても身体能力が高くてね。『ねずみ小僧』のように屋根から屋根へと駆け巡り、鳥を捕まえてきました。メスながら地域のボスとして君臨し、周りの猫たちを従えていました」

 ジャリの後も、家に迷い込んできたり、捨てられていたりする猫たちを途絶えることなく飼ってきた。

 今はオスのコウとメスのモモのきょうだいと暮らす。2匹は雨田さんの妻と隣人が見つけた子猫だった。

 「最初は3匹だったので、モモ・クリ・カキと名付けました。クリは間もなく知り合いに引き取られ、モモ・カキが残りました。カキは呼びにくいので、コウとなったわけです」

 モモは子猫の時は天真らんまんだったが、成長して傍若無人な性格になったとか。しかも人見知りなので、今回の撮影は人懐こいコウだけに。年齢より若く見えて元気そうだ。2匹とも毎日よく遊んでいるという。

 「2匹を飼い始めた当時、うちにはおばあさん猫のタマがいました。その介護をコウが引き受けてくれました。いつも側(そば)にいて、毛づくろいをして・・・。タマは負けず嫌いのソリスト(独奏者)タイプの猫でしたが、コウには優しかったですね」

 雨田さんの人気絵画「音楽とあそぶネコたち」は40年ほど前、哲学者でエッセイストの故串田孫一さんの依頼で、美術誌に掲載されたのが、きっかけだった。

 猫を飼い始めてからは、さらに多くの猫や動物を描くようになったという。チェロやバイオリン、ラッパなどいろいろな楽器を奏でる動物たちの姿は、どれも楽しく愛らしい。しかもどことなく風刺的で、「鳥獣戯画」を思い起こさせる。

 「猫は、いつでも人と対等で、自由なところがいいですね。猫好きな人は、動物全てが好きだと思います」

 雨田さんは毎日、午前中いっぱいはチェロの練習をする。午後はコーヒーを飲みながら筆をとり、思い付くまま、何枚も絵を描く。そんな自由な飼い主に似て、猫たちも、マイペースな日々を楽しんでいる。(文・宮晶子、写真・高嶋ちぐさ)