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「チチモはさび猫の中でも美人の方だと思います」と話す山内マリコさん=東京都内で
「チチモはさび猫の中でも美人の方だと思います」と話す山内マリコさん=東京都内で
プロフィール

 やまうち・まりこ 1980年生まれ。富山県出身。大阪芸術大卒。ライターを経て、「ここは退屈迎えに来て」で作家デビュー。近著に短編集「パリ行ったことないの」。映画に造詣が深く、名画座通いの日々をつづったブログも開設している。

山内マリコさんとチチモ 猫(メス 13歳)

わがまま放題も
いとしい姫さま

 図書館の隣という作家らしい環境に住む山内マリコさん。愛猫「チチモ」は、ソファの上で毛布にくるまりながら、静かな冬空をのんびり眺めていた。おっとりした性格のようだが…。

 「いえいえ、人前では緊張しているので、おとなしいんですが、家族だけになると、超自己チューなんですよ!」と山内さん。

 出会いは大学生時代。故郷を離れ大阪で暮らしていた山内さんが、友達が住む学生寮へ行ったとき、風呂場に迷い込んだ子猫を発見した。

 「寒いので暖を取りに入ってきたんでしょう。とても小さくて弱っていました。雑巾のような(黒赤まだらの)さび猫と呼ばれる柄で、私が助けなければ誰も保護しないだろうと思ったんです」

 これまでも猫を飼いたかったが、実家では親の反対で飼えなかった。この出会いをすんなり受け入れた。チチモという名は、米国アニメの敵キャラクター「モジョ・ジョジョ」が変化した呼び方とか。

 「小さいころ甘やかしたせいか、わがままになってしまい、ごはんが欲しい時など、ニャーッ!と高圧的に鳴いて、私をこき使います。猫はもっとかわいく甘えてくるものだと期待していましたが、全く違いましたね」

 それでも山内さんにとって、いとしい相棒。作家を目指すべくチチモを連れて上京した。

 「なかなかデビューできず、苦しい日が続きました。親しい人もなく、話す相手はチチモだけ。あのころの私たちは異様に熱く結び付いていましたね」

 チチモとともに不遇な日々を乗り切り、2008年、ついに女性のための文学賞の読者賞受賞。デビュー後は順調な作家生活を送っている。

 私生活でも、11年の東日本大震災を機に現在の夫と同居し、間もなく結婚した。

 「最初チチモは彼に全く懐きませんでした。でも2年たち、ようやく雪解けが訪れました。今では夫に抱っこされ、腰をポンポンマッサージしてもらうのが大好き。夫が手を止めると、ニャーッ!(休むんじゃない)と怒ってますよ。夫婦でかわいがる方が、幸福度が高まる感じがします」

 13歳になるチチモだが、わがまま度も運動神経も衰えない。押し入れの上の天袋にあつらえた猫ハウスに入るときは、ぴょーんと見事な跳躍を見せる。

 「実家に帰省するときも一緒です。猫嫌いだった母が、今ではチチモに会うのを楽しみに待っているんです。20歳まで長生きしてね!と毎日言い聞かせています」(文・宮晶子、写真・川上智世)