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近藤さん(右)と娘の楓(かえで)さんに甘える「キキ」。年のせいか、近くに家族がいないと寂しがるという=東京都内で
近藤さん(右)と娘の楓(かえで)さんに甘える「キキ」。年のせいか、近くに家族がいないと寂しがるという=東京都内で
プロフィール

 こんどう・けんじ 1962年生まれ。東京都出身。21歳のとき登山家で医師の今井通子さんの登攀(とうはん)隊でエベレスト初挑戦。世界の山を数多く経験し、国際山岳ガイド連盟認定ガイドに。2006年にはエベレスト山頂へ、当時最高齢の70歳男性を導いた。13年、7大陸最高峰登頂を達成。

近藤謙司さんとキキ ミックス(メス 12歳)

添い寝でほっと
家族の愛一身に

 国際山岳ガイドとして年間約200日、世界の山で活躍する近藤謙司さん。オフシーズンの近藤さんを自宅に訪ねると、愛犬の「キキ」が玄関に出迎えてくれた。シェパードほどの大きさで、優しい表情をしている。

 「子犬のころからおっとりした性格です。誰にでも愛想がいいので番犬にはなりませんが、僕の留守中は家族といてくれるから、ちょっとは頼りになるかな」

 キキは山梨県で保護された。日本で長く動物愛護に携わっているオーストリア人のマルコ・ブルーノさんのシェルターからやってきた。

 「娘が犬が欲しいと言い出してペット店を見たりしているうち、妻が保護犬譲渡の張り紙を見つけました」

 それはブルーノさんの愛護団体の張り紙だった。「こういう犬を引き取った方がいいよね」と家族で決めた。写真を見て選んだ子犬をブルーノさんが連れてきて、家族の一員として家の中で飼うこと、不妊手術をすることなどを約束した。

 「家族のイニシャルがみなK・Kなので、子犬も同じくキキとしました」

 甲斐(かい)犬の血を引くというキキは、みるみる成長して、家族はびっくり。それでも2人の娘は、大きなキキの散歩を欠かさず行った。

 「若いころのキキは、散歩に出ると“激走”しました。こちらはついていけなくて、伴走が大変でしたよ」

 時には山への家族旅行にも連れていった。

 「登山者の中には、山でふんをするから犬を連れてくるな、という人がいます。でも飼い主は犬の排せつ物をきちんと始末します。むしろ人間の方がそれ以外の物を含めて山に残してくるのでは? みんなの意識が変われば、例えば目の不自由な人も、盲導犬と山を楽しめるようになると思います」

 病気知らずで過ごしてきたキキだが、数年前からお漏らしをするようになり、おむつが欠かせなくなった。東京大動物医療センターを受診し、「そろそろ寿命かもしれません」と告げられた。

 「それを聞いて、もうお別れなのかとショックでした。でも、その後もずっと元気で、散歩でも30分は走っています」

 ただ夜は居間の寝場所で寂しがって鳴く。家族はキキが寝つくまで、毎晩交代で添い寝している。

 「僕が家にいる間は添い寝係です。以前から冬も暖房なし布団なしで居間の椅子で寝てますから大丈夫」

 たくましい「パパ」がいて、キキも心強いことだろう。(文・宮晶子、写真・坂本亜由理)