ペット大好き!情報
森田さんと愛猫ピー、愛犬たち。「どの子も私の分身です」と慈しむ=横浜市内で
森田さんと愛猫ピー、愛犬たち。「どの子も私の分身です」と慈しむ=横浜市内で
プロフィール

もりた・ゆみえ 兵庫県出身。東芝音楽工業(当時)から『潮風の吹く町』でデビュー。30万枚のヒットで、各賞を受賞。6月、新曲「ホロホロ月夜」をリリースし、発売中。

森田由美恵さんとワンニャン24匹 犬5匹、猫19匹

みんな私の分身
最期まで慈しむ

 歌手の森田由美恵さんは動物版「おくりびと」として、多くの犬や猫などの弔いを経験してきた。自宅で飼っていた動物だけでなく、道路で車にひかれて死んだ飼い主不明の猫も、丁重に抱きかかえ、寺に運び供養した。

 現在、犬猫総勢24匹とともに暮らす住まいには、その位牌(いはい)がずらりと並ぶ部屋があり、毎日心を込めて供養をしている。

 「数えたことはありませんが、今まで何100匹という犬や猫を送ってきたと思います」

 子どものときから歌を歌うことと、犬や猫と一緒に暮らすことは日常の生活だった。3歳から歌いはじめ、歌謡コンテストに最年少で優勝する一方、捨てられた犬や猫を見つけると、自ら駅に立ち飼い主を捜した。

 今でも保護活動はもちろんのこと、不当な待遇をするペットショップには警告を発し、時には遠く離れた繁殖場まで行き、「明け方まで談判したこともありました」。

 犬や猫に対する、あふれ出る慈しみが、森田さんを突き動かしている。

 「12歳のキリボウズは緑内障。7歳のゆきは子宮蓄膿症(ちくのうしょう)を経験。17歳のさゆりは腎臓を一つ失っています。チャップも15歳で足腰がふらふらです」

 動物も高齢になると下痢をしたり、よだれが出たりして体が汚れることもある。

 「清潔に保つためにこまめな手入れが必要です。私は、彼らと一緒に床に寝て、その様子を観察しています」

 日ごろの観察を大切にした上で、定期的に獣医師の元へ通い、血液検査をして健康管理に留意している。

 愛情たっぷりに育てられている犬や猫は、とても人懐こい。人が来ると逃げてしまう猫が多い中で12歳の黒猫ピーは穏やかに撮影に応じた。

 「頭数が多いのは、犬や猫たちにとっては良い環境だと思います。以前、2年半寝たきりで闘病生活をした犬がいましたが、動物たちは代わる代わる見守っていました。必ず誰かがそばにいて添い寝をしていたのです。猫たちも、それぞれがその犬の毛づくろいをしてあげていました」

 しかし、どんな命にも必ず最期がくる。「おくりびと」の責務を果たした後、森田さんは引きちぎられるような悲しみに見舞われる。

 「どの子も私の分身。その死は私の体に大きな空洞をつくっていきます。弔ってきた数を考えたら、私の体は穴だらけになってしまう。これからも自分のできる範囲で行いたい」

 悲しみを乗り越えた森田さんの歌には大きなエネルギーが宿っている。(文・宮西ナオ子、写真・高嶋ちぐさ)