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ピーノ松谷さんと、生徒たちにもかわいがられている愛犬ティーナ(手前)とジューリア=神奈川県内で
ピーノ松谷さんと、生徒たちにもかわいがられている愛犬ティーナ(手前)とジューリア=神奈川県内で
プロフィール

ぴーの・まつたに 東京都出身。国立音楽大、イタリア国立ミラノ・ヴェルディ音楽院卒。ヨーロッパ各国で歌手、また舞台演出家として活躍後、オペラ界から招聘(しょうへい)され帰国、昭和音楽大の講師に。最近は特に「オペラ・ポップ」歌手として活動している。

ピーノ松谷さんとティーナ、ジューリア チワワ、ミニチュアダックスフント(ともにメス 3歳)

日伊2語を理解
歌にも興味津々

 声楽家・ピーノ松谷さんの自宅にある音楽室では、2匹の愛犬が教室の生徒を出迎える。チワワの「ティーナ」とミニチュアダックスフントの「ジューリア」だ。

 「どちらもイタリアの女性の名前から採りました。犬好きの弟子にかわいがられています」と松谷さん。ペットにイタリア語の名をつけるくらい、長くイタリアで音楽活動をしてきた松谷さん。犬たちのしつけもイタリア語だ。はしゃぎまわる2匹に「ズィッタ!(静かに)」「ザンパ!(お手)」と声をかける。

 「でも母は日本語で話しかけるので、バイリンガルになってます」と笑う。

 2匹は生徒のレッスン中も一緒だ。「犬たちにもいい声は分かるようです。普段は隅で寝ていますが、生徒が素晴らしい歌声を出したときは、はっと起き上がって聞いていますよ」

 実はこの2匹は、松谷さんの2代目の犬たち。3年ほど前までは大型犬の「レア」がいたという。

 「レアは、私が帰国してから飼い始めました。子どものころからの夢だったダルメシアンです。彼女は美しく、プライドが高く、でもちゃめっ気もあり、いたずらを見つけられた時の表情がかわいかった。寒いときは自分でヒーターのスイッチを入れるくらい頭もよかったんです」

 生徒たちにもかわいがられたが、晩年病気になり、レッスン中、松谷さんの足もとで眠るように息を引き取った。13歳だった。

 レアが死んで何日か後、あるイタリア人歌手の歌を聴いた。恋人との楽しかった日々を振り返る「君が恋しい」という曲。まさにレアへの気持ちを歌っているようで、心の奥の悲しみがあふれ出した。

 「家で何度も歌い、大泣きしました。やがて悲しみも少しずつ和らいできました。今はこの曲をレアの思い出としてレパートリーに加えています。聴く人は、まさか犬のことを思って歌っているとは思わないでしょうが・・・」

 新しい犬は、高齢の母のため小型犬に、その代わり2匹にしようと決めた。それがティーナとジューリアだ。ティーナはプライドが高いところがレアに似ている。ジューリアは、細い顔とブチ模様がレアに似ている。

 ティーナは歌のセンスがあるようで、ソプラノの生徒が歌い出すと、一緒にメロディーをなぞるように「クゥー」と高い声を出す。

 「練習すれば、ホントに歌えるようになるかも・・・」。松谷さんと味のあるデュエットを披露する日が来るかもしれない。(文・宮晶子、写真・五十嵐文人)