ペット大好き!情報
愛犬のウメコを抱きしめて、「至福の時間をいただいています」と話す神野美伽さん=東京都内で
愛犬のウメコを抱きしめて、「至福の時間をいただいています」と話す神野美伽さん=東京都内で
プロフィール

しんの・みか 1965年生まれ。大阪府出身。84年の歌手デビュー以来、舞台、芝居、映画などでも活躍、シングルCD「浮草の川」(キングレコード)発売。コンサートツアー「さあ、歌いましょう!」実施中。

神野美伽さんとウメコ チワワ(メス 推定8~9歳)

つらい過去越え
幸せのほほ笑み

 歌手の神野美伽さんが胸に抱くチワワのウメコは今、走ることができず、自分でご飯を食べることもできない。筋肉が落ちて体重も2キロを割った。でも神野さんの顔をじっと見てアイコンタクトをとり、「今は幸せだよ。ありがとう」とほほ笑んでいるかのように見える。

 「ウメコがどんな生活をしてきたかと考えるだけでたまらない気持ちになります」

 ウメコは愛媛県の繁殖場で生まれ、脳か首に障害があったため繁殖犬にされた。狭いケージの中に閉じ込められ、ふん尿が垂れ流しにされているような劣悪な環境で、子どもを次々に産まされてきたらしい。やがて和歌山県のボランティア団体に救済され、東京のボランティア団体へ。さらには預かりスタッフの家へと移動して、HPで飼い主を募集していた。

 「初めてウェブ上でウメコを見た時、鮮明に私の心に焼きつきました。以後、気になって見ていたのですが、(飼い主の)決まる気配がありません。そこで思い切って譲渡会に行ってみたのです」

 昨年1月の譲渡会で引き取りたいと申し入れ、2月初旬の2週間のトライアルを経て正式譲渡に。梅が咲いている時期なのでウメコと命名。

 「家に来たときはロボットのようにギクシャクとした歩き方で、首が下にしか向いていませんでした。でも昨年のゴールデンウイークを過ぎたころには庭を走るくらい回復したので、どんどん良くなると思っていたのですが…」

 喜びもつかの間、まひが出た。専門病院で首の手術を勧められた。麻酔に耐えられるかどうか迷い抜いた末、7月に手術を受けた。成功し、また歩けるようになったものの、再度のまひ…。

 「今が一番悪い状態。人間の助けがなくては生きることができません」。神野さんの家族や関係者に支えられ、愛され励まされて生きている。

 「最近、ウメコにミドルネームがつきました。ウメコ・宝・天使というのです。手がかかり、お世話が大変だといいながら、実は至福の時間をいただいています。お母さんが赤ちゃんに母乳をあげるときに幸せホルモンが出るといいますが、それがウメコとアイコンタクトをとったり、ご飯をあげたりしているときにも出るみたい(笑)」

 「人間のエゴでひどい仕打ちに遭ったにもかかわらず、すべてを許してくれる犬という存在は、神様からの素晴らしいプレゼントですね」

 多忙な仕事の合間を縫い、これからも、さまざまな犬の保護活動を支援していくつもりだ。 (文・宮西ナオ子、写真・高嶋ちぐさ)