ペット大好き!情報
市原愛さんを慕ってじゃれ合うジャスミン(左)とリリー=東京都内で
市原愛さんを慕ってじゃれ合うジャスミン(左)とリリー=東京都内で
プロフィール

いちはら・あい 神奈川県生まれ。東京芸大声楽科卒業。ミュンヘン国立音楽大大学院を修了後、ドイツ国内の有名歌劇場などに出演、「ソプラノ界の新星」と絶賛される。この冬、イタリア・トリノ王立歌劇場来日公演でヴェルディ作「仮面舞踏会」への出演が決まっている。

市原愛さんとリリー、ジャスミン チワワ(メス 7歳)テリア系ミックス(メス 推定3歳)

ヤキモチ焼きが
世話好きに変身

 若手ソプラノ歌手としてヨーロッパや日本で活躍する市原愛さん。かわいがっているのは2匹の愛犬、チワワのリリーとテリア系ミックスのジャスミンだ。

 留学時代を含めて8年間、ドイツのミュンヘンに住んだ市原さん。そこで7年前、縁あってリリーと出会った。

 「飼い主に犬税も課すドイツは、犬のしつけに非常に厳しい国。リリーはドイツ語の命令なら完璧にできます。ただ、日本語は分からないんです」

 リリーを連れ、夫とともに2010年に帰国した市原さん。はからずも翌年、東日本大震災が起きた。日々テレビから流れる被災地の映像に心が痛んだ。

 「自分にも何かできないかと思っていたときに、被災犬のことを知りました」

 関係者に問い合わせ、紹介してもらったのがジャスミンだった。震災3週間後に福島県南相馬市の民家から出てきたところを保護されたのだ。

 だが、ジャスミンのしつけはとても大変だった。

 「怖い目に遭ったのでしょう、最初はリリーのことも怖くて、しっぽを丸めていました。そこで安心できる場所を作ってあげようと、ケージに入れてみました。でも、ジャスミンは狂ったようにほえ続けて・・・。仕方がないので、私も一緒にケージに入ってずっと寝ていました」

 リリーはジャスミンの境遇が分かっているのか、とても好意的に接してくれたという。少しずつ傷ついた心を開いていくジャスミン。

 「ところがジャスミンが来て約1年後、私が妊娠すると、ジャスミンの態度が明らかに変わりました。異常なほど甘ったれになって、私から離れなくなったんです」

 そして今年の3月にめでたく女の赤ちゃんが誕生。

 「ジャスミンは、友達の赤ちゃんが家に来ただけでもヤキモチを焼き、私の前でわざとそそうをするんです。赤ちゃんに対してどう反応するか、ちょっと心配でした」

 それなのに赤ちゃんを連れて家に帰ると、またしてもジャスミンが変わった。

 「赤ちゃんに嫉妬するかと思ったら、むしろ、すごく気を使って近寄ってこないんです。赤ちゃんの匂いをかがそうとすると、赤ちゃんの足をなめて一歩下がる。そして赤ちゃんが泣き出すと走っていってベッドの下で私を待つ。それでも行かないと呼びにきます。まるで妹を心配する姉という感じです」

 おっとりしてマイペースの長女リリーと、世話好きで優しい次女のジャスミン、そして赤ちゃん。「私にとっては3人姉妹の娘たちのようです」と市原さんは目を細めた。

(文・宮西ナオ子、写真・伊藤遼)