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「この子のいない暮らしは考えられませんね」とチェリーをなでる柴田勲さん=東京都内の自宅で
「この子のいない暮らしは考えられませんね」とチェリーをなでる柴田勲さん=東京都内の自宅で
プロフィール

しばた・いさお 1944年横浜市生まれ。元プロ野球巨人の選手。赤い手袋をトレードマークに盗塁王6回。自己最高は67年の70盗塁。現在は野球解説やコラム執筆、子どもの野球指導など多方面で活躍中。

柴田勲さんとチェリー ウィペット(メス 6歳7カ月)

共に俊足の相棒
大きな愛で包む

 日本プロ野球名球会の理事を務める往年の名選手・柴田勲さんの愛犬はウィペットのチェリー。鞭(むち)(ウィップ)がしなるように走る姿から、その犬種名がついたといわれるだけに、俊足を誇り、現役時代の柴田さんのイメージと重なる。しかし、チェリーとの出会いは、悲しい出来事がきっかけだった。

 「女房を亡くして半年くらいたった時でした。友人で動物病院をやっている獣医師から、犬が癒やしになるから、もし欲しければ差し上げましょうと言われたんです」

 とはいえ、もともと犬がとりわけ好きというわけではなかったので、もし頂けるのならば3つの条件をクリアした犬ということでお願いしたという。

 「1つ目があまり吠(ほ)えないこと。2つ目に毛が抜けないこと。3つ目は頭がよくて育てやすいこと・・・。すると、そんな犬はなかなかいないと言われましたね(笑)」

 一番近い犬種がスタンダードプードルだと言われたが、結構大きい。マンション住まいでは無理ということで、犬種選びが二転三転。総合的なポイントで決定したのが中型犬で、究極のスプリンターといわれるウィペットだった。

 「そこで友人に聞いたら、ウィペットはあげられないという。結局ブリーダーを探して求めることになりました」

 チェリーを迎えるに当たって長男夫妻と同居をし、柴田さんが留守の間は面倒を見てもらうことに。以来6年間、大切に育ててきた。

 「名前の由来?犬をあげるといわれた夜、ちょうど見ていた映画が『男はつらいよ』。だからオスならば寅(とら)に、メスならば、さくらにしようと決めていた。でもウィペットなんていうしゃれた犬種になったから、さくらを英語にしてチェリーに(笑)」

 チェリーは最初の条件にかなり一致していて、あまり吠えないし、毛も抜けにくい。それに頭もいい。

 「朝と晩の1日2回、時間がある限りは散歩に連れて行きますよ。寒いときは洋服も着せてあげるしね」

 大柄の柴田さんが細いチェリーを連れて歩く姿はなんともほほ笑ましい。

 「小さい子なんか、『ヤギがいる!』なんて言う(笑)」

 チェリーと生活する上で、犬を飼ってよかったなと思うときと、飼わなければよかったと思うときがあるという。

 「散歩に行ったり、犬仲間が増えたりする楽しみもある。でも、犬がいると束縛されて自由がなくなっちゃうからね。それにいろいろ健康面などを心配しなくちゃならない。でも、もしチェリーがいなくなったら?やっぱり寂しいよね・・・」

 チェリーをじっと見つめながら、しみじみ語る柴田さんの言葉にはチェリーへの大きな愛がにじんでいた。

 (文・宮西ナオ子、写真・河口貞史)