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梅若さんが抱いているのが父親のポツ(右)と母親のレン、足元にいるのが子どもたちのピッポ(左)とジュニアポツ=東京都内の自宅で
梅若さんが抱いているのが父親のポツ(右)と母親のレン、足元にいるのが子どもたちのピッポ(左)とジュニアポツ=東京都内の自宅で
プロフィール

観世流能楽師シテ方。1941年東京生まれ。2001年三世梅若万三郎を襲名。海外公演も積極的に行う。重要無形文化財総合認定保持者。公演の情報などは HP「梅若研能会」 で。

梅若万三郎さんとシーズー一家 ポツ(オス 13歳)、レン(メス 10歳)、ピッポ(オス 9歳)、ジュニアポツ(オス 8歳)

能の発声練習!?
就寝前、一斉に

 毎月定例会を開くなど精力的に活動する能楽師・梅若万三郎さん。20日には東京・国立能楽堂で特別な「橘香会(きっこうかい)」を開催する。自宅の能舞台には稽古のため大勢の人が訪れる。その能舞台に隣接する応接間に、4匹のシーズーが勢いよく入って来た。めったに入れない部屋とみえて、みな興奮気味に走り回る。

 「4匹は家族なんですよ」と梅若さん。父が「ポツ」、母が「レン」。息子たちは「ピッポ」と「ジュニアポツ」という。自宅の能舞台前で、そろって撮影に応じてくれた。

 シーズーとの付き合いは、長男が6歳のときに迎えて以来、ずっと続いている。

 「ポツはもう高齢ですが、父犬らしく威風堂々としています。目は白内障でよく見えません。でも、体の芯はしっかりしています」

 レンは、社交的だが気が強いところもあって、家族が外猫にえさをやっていると、だーっと走ってきて、猫のえさを横取りする。

 息子の2匹は性格がまるで違い、ピッポはものすごく臆病。植木屋さんが来るといつもほえて家族を困らせる。

 もう1匹のジュニアポツは明るい性格で、みんなの人気者。能楽師のごとく、ここぞというときの自分の見せ方を心得ている。父の名を将来襲名するだろうと、ジュニアポツという名前になった。

 梅若さんの書斎の窓の外に4匹の犬舎があり、自由に庭の中を走り回れるようになっている。

 「疲れたときなど、何げなく4匹を見ると、好き勝手な格好で眠る姿にほっとした気分になります」

 梅若さんの視線を感じると最初に起き上がって、「何かご用ですか」という顔をするのは、ジュニアポツだ。

 能楽師の家に飼われているせいか、シーズー一家にもしきたりがある。毎晩「本日終了の儀式」を執り行うのだ。

 「夜の散歩を終えて犬舎に入った後、だいたい8時ごろですね、みんなで声をそろえて鳴き始めるのです。理由は分からないんですが・・・」

 まずレンが高い声を出し、そこにピッポがオーと遠ぼえのように合わせていく。ポツは低い声でウォンウォン、ジュニアポツは自由自在に声を出し、ひとしきり鳴き合わせたところで、4匹ともピタッと終わる。

 犬たちのパフォーマンスも、飼い主に負けてはいないようだ。

 (文・宮晶子、写真・川上智世)