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山田貴敏さんを取り囲む愛猫たち。パパ(中)、マル(右)とコロ=東京都内の山田さんのアトリエ「コトー」で
山田貴敏さんを取り囲む愛猫たち。パパ(中)、マル(右)とコロ=東京都内の山田さんのアトリエ「コトー」で
プロフィール

やまだ・たかとし 1959年生まれ。岐阜市出身。大学時代から漫画を描き、「マシューズ心の叫び」でデビュー。代表作「Dr.コトー診療所」は2003年度の小学館漫画賞一般向け部門を受賞した。

玉袋筋太郎さんとしいちゃん

右手で漫画描き
左手で頭を撫で

 テレビドラマにもなった人気の漫画「Dr.コトー診療所」の作者、山田貴敏さんのアトリエ「コトー」はペットでいっぱい。猫、カメや熱帯魚が占領している。その中で、ひときわ目を引くフサフサの毛のメーンクーンが13歳の高齢猫、その名も「パパ」だ。

 山田さんは7年前にも一度、登場している。前回は6匹の猫がいた。「前に飼っていた猫の中に、メーンクーンの『メイ』がいたんですが、階段から落ちて亡くなってしまったんです。まだ7歳だったのに。悲しくて・・・。メイの血縁を探そうとペット店に行ったら、メイの父にあたるという猫が僕にすり寄ってきたんです。それが、パパでした」

 パパはブリーディングから高齢という理由で引退し、のんびり暮らしていた。痩せていて毛の状態なども悪かったが、メイの代わりに、父猫の余生を見守ってやろうと引き取った。

 「去勢のため動物病院に連れていったら、歯が悪いといわれ、6本も抜きました。そうしたら急に食欲が出てきて、体重は一気に3キロから4.5キロに。しだいに毛もフサフサ、ツヤツヤになり、すっかり若返ったんです」

 ここへ来て自由と健康を得たパパは、失われた青春を取り戻したかのごとく、あっという間に猫たちの中心的存在になった。

 ここで黙っていられないのは、それまでアトリエの一番猫として君臨していたアメリカンカールの「コロ」。コロはいつでも山田さんの仕事机の隣に座り、最初に膝に乗る権利を得ていたのだ。それが今や、パパも常に山田さんの隣に来て、膝に乗るのを待っている。

 「仕事していると、コロとパパが交互に僕の肩をトントンたたいて、『乗ってもいいですか』と催促するので、大変ですよ。2匹の上位争いを見て、これまで2番手以下に甘んじていたアメリカンショートヘアの『マル』『クロ』、スコティッシュフォールドの『ミミ』までもが、最近やたら甘えてくるようになって。まさに下克上、戦国時代に突入です」

 山田さんがトイレに行くときなどは、5匹の猫たちが皆ついて来て一緒にトイレに入ろうとするので、ドアも閉められないとか。これほどまでに猫たちに慕われる山田さん。

 「猫が僕の癒やしになるのではなく、僕が猫たちの癒やしになっているんでしょうね。右手で漫画を描きながら、左手で猫たちを撫(な)でてやってるのも、しょっちゅう。僕の撫で方がうまいのか、猫たちはウットリして離れないんですよ」

 山田さんの作品の魅力は、動物への愛がベースにあるのかも。

 (文・宮晶子、写真・高嶋ちぐさ)