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「ベルはビー玉のような目がチャームポイント」と話す那須野恵さん=都内の公園で
「ベルはビー玉のような目がチャームポイント」と話す那須野恵さん=都内の公園で
プロフィール

なすの・めぐみ 1981年東京都生まれ。舞台女優。主な出演舞台は「幕末純情伝」「ココロノカケラ」「すけだち」など。本文中の舞台情報などは本人の 公式ブログ で。

那須野恵さんとベル 猫(オス 18歳)

「気にするなよ」
目で無言の激励

 「北区つかこうへい劇団」出身の那須野恵さんの愛猫は「ベル」。白黒のボディーに、ビー玉のような丸くて透き通った目。老猫といえども、まだ体はよく動く。那須野さんはベルを抱きながら、「もう18年も一緒です。私のきょうだいのようなものです」と笑う。

 ベルとの出会いは、小学校6年生のとき。弟が自宅近くの神社で生まれたばかりの猫を拾ってきた。那須野さんは「飼って~」と母親にせがんだ。大の猫嫌いだった母親は「(数日後に迫っていた)マラソン大会で1等賞を取ったら、いいわよ」。マラソン大会は町内会の小学校高学年の女子の部、距離は3キロほど。飼いたい一心のパワーが背中を押してくれたのか、見事、1等賞!!取れるはずはないと思っていた母親はびっくり。こうして、猫は家族の一員に迎えられた。

 父親が「お母さんは猫嫌いだから」と音ですぐに猫が来たことがわかるように鈴を付けた。名前はベル(鈴)と決まった。

 「生まれたばかりで、スポイトで猫用のミルクを与えました。そのときの、ベルを抱いた手の感触は、まだ記憶に残っています」

 ベルは家の中で過ごし、ほとんど外に出たことがない。来客があると、ピンポンという呼び鈴を聞いただけで、隠れてしまうという。

 根っからの体育会系少女だった那須野さんは中学、高校はバレーボールに打ち込んだ。高校卒業を前に、人生を考えた。「バレーボールが好きだけれど、選手としては身長が足りない・・・」。悩んだ末に、自分には体を動かすことしかない、舞台で活躍できる女優をめざそう、と決めた。大学は芸術学部に進んだが、「私にはあわない」とすぐにやめた。

 あっちへいってゴツン、こっちでまたゴツン。結局、24歳のときに、同劇団(第13期生)に入り、劇団が解散するまで在籍した。

 劇団のけいこはつらいこともあった。嫌なことがあると、ベルに話しかける。夜遅くなって家族は寝ても、ベルは待っていてくれる。ベルは黙って、那須野さんの愚痴を聞いてくれる。いつの間にか、ベルが「そんなこと、気にしなくてもいいんだよ」と目で答えてくれているような気になる。

 5月9~20日、東京・下北沢「劇」小劇場で「六男坊の嫁」という舞台に出演予定。続いて7月にも東京・赤坂レッドシアターでの舞台出演が決まった。「ベルのためにもがんばろうと思います」という。

 「人間は話しかけたら、何か言葉を言ってしまうでしょう。猫は黙って聞いてくれるのがよいのでしょうね。そばにいてくれるだけで、癒やされます」

(文・草間俊介、写真・圷真一)