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「ごめん、顎ひげを見せてやって」と窓輝師匠に言われ、顔を上げるひげ=東京都豊島区千早で
「ごめん、顎ひげを見せてやって」と窓輝師匠に言われ、顔を上げるひげ=東京都豊島区千早で
プロフィール

さんゆうてい・そうき 1970年東京都豊島区生まれ。95年、6代目三遊亭圓窓に入門し、窓輝を名乗る。99年二ツ目昇進。2010年窓輝の名のまま真打ちに昇進した。古典落語に精進する日々を送る。

三遊亭窓輝師匠とひげ 猫(オス 推定10歳以上)

救命の恩忘れず
慕ってペロペロ

 若手実力派の噺家(はなしか)として活躍している三遊亭窓輝師匠の家には、5匹の猫がいる。どの猫もきわめてマイペース。人間の望むようにはなかなか動いてくれない。師匠はその中の1匹、オスの「ひげ」に、「お~い、ひげ。ちょっと起きて、写真を撮らせてくれ~」と声をかけた。

 ぬくぬくしたコタツの中で気持ち良さそうに大の字になり寝ていたひげが、コタツから出て、師匠のそばに寝そべり、丁寧に毛づくろいを始めた。

 自分の身支度が整うと、今度は師匠の顔や手をペロペロなめてご満悦。年齢を聞くと「推定10歳以上」とのこと。出会ってからまだ半年にも満たないという。

 「去年の夏のことでした。実家の庭の隅っこの日陰にうずくまっていたんです」

 師匠は、早速そばに寄ってみた。近づいても逃げない。そっと頭をなでてみると、スリスリして甘えてきた。

 そこで抱き上げようとしたら「キャー」と鳴いた。

 首の下の喉に穴が2つあいていたのだ!?

 「他の猫にかまれたような大きな穴でした。それで痛くて、うずくまっていたんですね」

 すぐに動物病院に連れていった。「猫同士のけんかでしょう」ということで手当てをしてくれた。命にかかわるような大事には至らなかったものの、以後、ひげは窓輝師匠の家の子になった。

 「すごく慣れているから、どこかの飼い猫だったのかも。引っ越しで捨てられたのかな」

 ひげとは面白い名前だが、顔を見ると一目瞭然。顎の下に、まるで聖人のような立派な顎ひげが生えている。

 「ひげは他の猫ともけんかもしなければ、一緒に眠ることもない。猫よりも人間が大好きのようです」

 特に命の恩人でもある師匠のことを慕っている。

 「子どものときから猫は大好き。幼稚園のとき、最初に拾ってきた黒ネコのクーコからはじまり、今まで20匹以上の猫を飼ってきました」

 そのような猫たちの中でも、ひげとは抜群に相性が良いという。まさに「運命の出会い」で相思相愛。ひげはいつも師匠の膝の上に乗っては、顔をスリスリし、ゴロゴロいい、顔や手をペロペロなめる。

 窓輝師匠は4月22日、東京・池袋演芸場で独演会を行う。年に3、4回行う独演会の前は緊張感がある。

 「私が緊張していようが、リラックスしていようが、ひげはそんなことお構いなしに、平常心のまま。いつもと同じように膝に乗ってきては、ごろごろ甘えてくれる。これが何とも癒やされます」

(文・宮西ナオ子、写真・河口貞史)