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心地よい寝床で満足げなしま。「洗いたてのタオルを敷いてやると喜びます」と富沢さん=都内の自宅で
心地よい寝床で満足げなしま。「洗いたてのタオルを敷いてやると喜びます」と富沢さん=都内の自宅で
プロフィール

とみざわ・あこ 東京都出身。1958年生まれ。文学座に入り、主に舞台俳優として活動。代表作に舞台「令嬢ジュリー」「ベルナルダ・アルバの家」や映画「瀬戸内ムーンライトセレナーデ」など。昨年は「殿様と私」に出演。

富沢亜古さんとしま アメリカンショートヘア(メス 19歳)

気落ち気遣い?
甘え上手に変身

 文学座女優・富沢亜古さんの家を訪ねると、愛猫「しま」は、居間で昼寝中だった。暖かい日差しが差し込む寝床で、気持ちよさそうだ。

 「もうおばあさん猫なんです。昨年のクリスマスイブの誕生日に19歳になりました」と富沢さん。

 来訪者におかまいなしに寝ているのは、耳が遠いせいだろうか。やがてゆっくりと起きあがり、ひととおり取材者の持ち物をくんくんチェックし、「問題なし」というように寝床にもどる。少しやせてはいるが、毛並みはきれいで、足取りも軽やかだ。

 「年の割に若く見えるといわれます。でもさすがに昼寝の時間が増えましたね」

 部屋には、歴代の猫たちの肖像画が。富沢さんの母で、舞台美術家の朝倉摂さんが描いたものだという。

 「母も動物好きで、実家にはたくさん猫がいました。私が結婚して初めて飼ったのが、この『しま』です。その後、しまの子が2匹、母のなじみのブリーダーからノルウェージャンフォレストキャットも加わり、つい最近まで4匹いたんです。でもこの数年のうちに若い3匹が相次いで死んでしまいました」

 しまの子「ウリ」「クリ」は、腎臓などを患ったが、どちらも15歳くらいまで生きた。だが1年半前、ノルウェージャンフォレストキャットの「タビスケ」が、6歳で突然死したのはショックだったという。

 「タビスケはこれまでの猫とは全く違うタイプだったんです。抱っこが大好きで、いつも私と一緒。あまりにかわいくて、猫とは思えない存在でしたね。それがあっという間に逝ってしまった…」

 すっかり落ち込んでしまった富沢さん。すると、しまにある変化が起きた。それまでクールで無愛想だったのに、ニャーと鳴いてすり寄り、ごはんをねだるなど、甘えた態度を示すようになったのだ。まるでタビスケの代わりをするように。

 「不思議ですよね。主人も最近、しまが懐いてくれると喜んでいます」

 最初に来たしまが、残った。寿命というのは本当に分からない。

 しまも7歳のころ、体に異変が生じ、心配したことがあった。歩くとふらついたり、ストーブの上で寝ていると、落っこちたりするようになり、病院では三半規管に異常がみられると言われた。それが、いつの間にか治ってしまったという。

 「この年なので、いつ死んでも大往生ですよね。でも耳が遠いと長生きするといいますから、まだまだかも」

 家族の愛情を一身に受け、しまは穏やかな老後を満喫しているようだ。

 (文・宮晶子、写真・由木直子)