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「銀子との散歩は癒やしの時間でした」と話す長澤かおるさん=都内の公園で
「銀子との散歩は癒やしの時間でした」と話す長澤かおるさん=都内の公園で
プロフィール

ながさわ・かおる 1958年東京都生まれ、玉川学園女子短大卒。子守歌、童謡やハワイアンなどを得意とする歌手。本人による「安眠ライブ・歌のゆりかご」がインターネットで配信中。

長澤かおるさんと銀子 ミニチュアダックスフント(メス 10歳)

4年の闘病生活
支えてもらった

 ミニチュアダックスフントの「銀子」を抱いた子守歌歌手の長澤かおるさん(53)。ともに若々しく元気そう。しかし、長澤さんは「4年間も病気で苦しみました。その時、救ってくれたのが銀ちゃんです。私の飼い犬ではないのですけど、家族以上の存在です」と話す。

 長澤さんは10年ほど前、更年期障害でのんだ薬が合わなかったのか、目まい、吐き気、不眠など重い症状に見舞われた。「歌手なのに、歌うことはできませんでした。体重は激減して、何日も不眠が続きました。人と会うのも嫌になり、ついには片言の言葉しか話せなくなりました」

 歌手活動を休業した。医師から脳に刺激を与えるために、外出したほうがよいといわれた。学生時代からの友人の水口昌子さん(54)から家に招かれ、出掛けた。そこにいたのが銀子だった。

 長澤さんは動物を飼ったことはなく、犬はどちらかというと怖かった。しかし、銀子は目が合った瞬間、「大丈夫?」と語りかけてきたような気がした。水口さんが東京・銀座の知り合いから譲ってもらったので、銀子という名にしていた。

 いつの間にか水口さんの家に週に1度は必ず通うようになった。銀子も「私の友人が来た」と迎えてくれた。主治医から1日3000歩と言われていたので、ゆっくりと1時間ほどかけて散歩をした。銀子と2人、目と目で会話ができた。癒やしの時間だった。

 ある日、銀子を抱いていたら、♪ねんねこしゃっしゃり…と鼻歌のように子守歌を歌っていた。自分では気づかなかった。水口さんに「あらっ、今、歌っていたわよ」と言われ、「えっ。本当?」。

 ボイストレーニングなどリハビリを重ね、2006年7月、連続10回の「親と子のトークライブショー常田富士男民話の世界」で司会兼童謡の歌い手として復帰することになった。

 最初は足が震えた。それでも10回をこなすと、うれしかった。これまでのことが走馬灯のように思い出された。銀子の顔が浮かんだ。長いトンネルを抜け出した。銀子がいなかったら、もっと長くて暗くなっていたかもしれない。

 「病気のときには一生このまま、二度と歌うことはできないと思っていたのに。立て直しの人生の充実感に満たされました」

 間もなく2012年。来年の目標は?

 「銀子が私に寄り添って癒やしの存在になってくれたように、私も歌で人の痛みを癒やすようなCDを出したいですね」(文・草間俊介、写真・五十嵐文人)