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お江ノ電沿いを散歩する影山さんと、ゴン(右)とテツ=神奈川県藤沢市で
江ノ電沿いを散歩する影山さんと、ゴン(右)とテツ=神奈川県藤沢市で
プロフィール

かげやま・なおみ 埼玉県生まれ。イラストレーター。愛犬たちを題材にしたイラストエッセーで人気。本文中の著作などの情報は HP で。

影山直美さんとゴン、テツ 柴犬(ともにオス 14歳、6歳)

性格は正反対
愛らしさは一緒

 愛犬のイラストエッセーを描いているイラストレーター影山直美さんの住まいは、神奈川県藤沢市。2匹の柴犬(しばいぬ)「ゴン」「テツ」と、湘南を散歩するのが日課だ。仲良く並んで歩く2匹の姿に、道行く人も目を細め眺めていく。

 「ご近所にもけっこう柴犬が多いので、散歩が楽しいんですよ」と影山さんは話す。

 影山さん夫妻は犬を飼い始めるのをきっかけに、同県小田原市から引っ越してきた。

 「夫も私もずっと柴犬が欲しいと思っていて、ある日、犬と暮らすのにぴったりの家を藤沢に見つけました。すぐにペット店に問い合わせたところ、子犬のゴンがいたんです」

 キツネっぽい風貌だったので、新美南吉の「ごんぎつね」からゴンと命名。8年後、2匹目のテツも迎えた。こちらは夫が名付けた。

 「子犬のテツは、小さいころのゴンにそっくりだったんですが、性格は全く違いました」

 ゴンはマイペースだが穏やかな性格。子犬のテツをなんなく受け入れた。しかし、テツは、甘えっ子のくせに、すぐ怒り、気難しい。例えば、自分の食事を入れる皿を、食べ終わっても決して離さず、片づけようとすると怒りだして大変。

 「そこで、お皿を取るときおやつをやったり、ピクニックに連れだして皿を使わず食事させるとか、いろいろ試しました」

 最近は、お皿にひもをつけて、食後にひっぱるようにした。これだと影山さんが取り上げようとしているとはバレないので、テツも怒らない。

 家族は必死だが、こんな笑いあふれる犬たちとの暮らしを、最初は4コママンガに、やがてイラストエッセーに描くようになった。それが好評で単行本は約10冊にも。この夏は「柴犬ゴンとテツのポカポカ日和」を、11月にはシリーズの6冊目となる「やっぱり柴犬さんのツボ」を出す。

 読者からは、「しつけの参考になる」という感想も寄せられるが、エッセーの一番の魅力は、湘南の風景を織り交ぜた、犬と人のほのぼのとした暮らしぶりだ。影山さんはゴンとテツの愛らしさを素朴に引き出している。最近はゴンの体にもあちこち年齢によるたるみが出てきたが、それがまた愛(いと)おしいとか。

 「柴犬の魅力は、日本犬のりりしさのなかにも、とぼけたかわいさがあるところではないでしょうか。ゴンの細く垂れてきたしっぽの先にも、いまなお柴犬の誇りを感じます。いわば、いぶし銀の柴犬ですね」

 老後を迎えたゴンとテツは、これからますます味わい深くなりそうだ。(文・宮晶子、写真・久野功)