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「猫ちゃんたちは外へ出ないんですよ」と語る木村品子さん=都内の自宅で
「猫ちゃんたちは外へ出ないんですよ」と語る木村品子さん=都内の自宅で
プロフィール

きむら・しなこ 東京生まれ。父の跡を継いで羽黒洞の2代目に。父の精神を受け継ぎながら、肉筆浮世絵から近代・現代作家まで幅広く扱う。公式HPは「 羽黒洞 」。

木村品子さんとシーナ、福太郎

愛くるしい2匹
古民家の“主”に

 東京・湯島天神近くで民族美術の店「羽黒洞」を経営する木村品子さん(77)は、「シーナ」「福太郎」という2匹の猫を飼っている。住まいは関東大震災をも生き延びてきた築100年を超える2階建てのいわゆる古民家。木村さんは「猫ちゃんたちは、家の2階からあまり外へ出たことはないんですよ」と笑う。

 取材の時、福太郎は体調不良で、撮影はシーナだけになった。飼い主の浴衣姿が古民家によくマッチする。

 羽黒洞は主に肉筆画の浮世絵を扱う。日本の民族美術を愛した父の木村東介さんが1936年に始めた。92年に東介さんが亡くなり、長女の品子さんが2代目に。社名も父の名を入れて「羽黒洞木村東介」と改めた。

 今は近くのビルに店を構えているが、かつてはこの古民家に店があった。猫たちがいる2階は畳敷きの応接間になっていて、いろいろな文化人たちが出入りした。ジョン・レノン夫妻も訪れ、浮世絵を買い求めた。最近になって、1階に小さな展示のスペースを設けた。

 「猫ちゃんたちは、柱や壁で爪とぎをすることもなく、悪さはしないですね。美術品なども傷んだことはありません」と品子さん。

 シーナも福太郎も、品子さんの長女の泰子さんの知り合いの動物病院からやって来た。東介さんは動物好きで、犬、猫や九官鳥などを飼い、いつの間にか品子さんも泰子さんも動物好きに。

 シーナは生後数カ月というところで迎え入れた。名前はすでに付けられていた。4月7日に拾われたから、シーナという。

 福太郎は道端に黒いゴミ袋に入れられて捨てられていた。通り掛かった人が気付き、動物病院に連れてきた。そこから泰子さんのところへ。生後半年ほどだった。名前は保護した人が「福が来ますように」と付けていた。

 猫は2階を住まいとし、品子さんが面倒を見るようになった。昼間はギャラリーの主として、背筋を伸ばしていなければならない。8~11日には松坂屋名古屋店で行われるアートフェアに4人の作家の木彫、陶器などを出展する予定が組まれるなど、絶えず気が抜けない。

 「自宅に戻り、猫たちを見ると、ホッとします。癒やされてリラックスできます」

 オスの福太郎のほうがやや甘ったれで、なでてやると、いつまでもまとわり付いてくる。

 「机に向かい、新聞を読んでいたり日記を付けていたりすると、2匹がやって来るんですよ。時には新聞や日記の上に乗ってきてね。でも、じゃまされても、怒れないんですよ」

 (文・草間俊介、写真・高嶋ちぐさ)