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「天ちゃんの自由気ままな生き方に憧れる」と話す北山たけしさん=東京都八王子市で
「天ちゃんの自由気ままな生き方に憧れる」と話す北山たけしさん=東京都八王子市で
プロフィール

きたやま・たけし 歌手。1974年福岡県生まれ。北島三郎さんの付き人8年。2004年「片道切符」でデビュー。本文中のコンサート情報は HP で。

北山たけしさんと天ちゃん 猫(オス 16歳)

喜びも悲しみも
分かち合った友

 演歌歌手で北島三郎ファミリーの一員である北山たけしさんは3月11日の東日本大震災の当日、仙台市にいた。激しい揺れ、停電、続く余震…。運よく東京と電話連絡がとれた。家族や同僚などは無事と分かった。「天ちゃんは-」、16年間苦楽を共にしてきた愛猫を尋ねると、無事との答え。心底から「よかった」と安心したという。

 「大震災で家族同然のペットを置いていかざるを得ない人がいました。僕も天ちゃんがいるので、そういう飼い主さんの悲しい気持ちが、よく理解できます」

 北山さんは16年前、北島三郎さんに弟子入りし、内弟子になった。当時、内弟子は北山さんを入れて4人いた。北山さんは一番下。近くにアパートを借りた。修業は厳しく、帰れるのは週に1、2度。内弟子生活が3カ月になったころ、アパートの玄関ドアの前に、生後3カ月ほどの茶色の毛並みに丸い尻尾という猫が鳴いていた。それが出会いだった。すぐに懐いてくれた。

 「早くファミリーの一員として認められようと努力していたけれど、心のどこかに『やっていけるのかなあ』という不安があり、寂しい時期でした。突然目の前に現れた猫が、天からの授かりもののように見えて、名前も天ちゃんとつけました」

 アパートにはあまり帰れない。部屋にキャットフードを山盛りにして、猫が通れる分だけドアを開けておいた。天ちゃんには自由にさせた。アパートに帰り、自分の時間はいつも天ちゃんと過ごした。一緒にいるだけで癒やされたと話す。

 「天ちゃんは猫らしく、自由気まま、呼んでも来ないし、気分屋、他人の意見に左右されない。そういう生き方ができたらいいなあ、とても憧れます」

 苦しい時も一緒。歌手デビューが決まった時もそばにいて共に喜んだ。すべてを見てきた友だ。

 仙台で地震に遭ったこともあり、4月初め、車に積めるだけの支援物資を積み、岩手県釜石市、宮城県石巻市へボランティアに行った。避難所ではファンと交流した。頼まれれば、その場で無伴奏で歌い、喜んでもらえた。5月にも東北に足を運んだ。

 東京でも6月13日、品川区のゆうぽうとホールで、「東日本大震災復興支援 北島ファミリーチャリティーコンサート」に、北島師匠や、小金沢昇司さん、原田悠里さんらと共に出演する。

 被災地でのボランティア活動であらためて歌の力を思い知らされ、気合が入ったという。天ちゃんも北山さんの活動を喜んでいるだろう。(文・草間俊介、写真・小平哲章)