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ココ(右)とベイビィ、「2匹は私の歌を聴いてくれます」と真木洋介さん=都内の自宅で
ココ(右)とベイビィ、「2匹は私の歌を聴いてくれます」と真木洋介さん=都内の自宅で
プロフィール

まき・ようすけ 1947年広島県安芸高田市生まれ。菅原洋一さんの弟子となり、70年にレコードデビュー。シャンソンはじめ幅広いレパートリーを持つ。反戦歌「一本の鉛筆」を歌い続ける。

真木洋介さんとベイビィ、ココ チワワ(メス 7歳、オス 4歳)

奇跡の生還ココ
歌が大好き母子

 歌手の真木洋介さんの自宅を訪れると、大騒ぎで駆け寄って来たのがココ。4歳のチワワだ。おとなしい母親のベイビィとは反対に、元気いっぱいのココだが、実は大変な経験をしている。

 「2年前の11月、自宅のそばを散歩していたらクルマにひかれたんです。昏睡(こんすい)状態で、もう駄目だと覚悟しました」

 それでも真木さん夫妻は最新の設備がある動物病院にココを運び込んだ。

 「集中治療室に入り、酸素吸入をはじめ、耳、鼻、足とチューブだらけの姿がかわいそうで、かわいそうで…」

 意識のない状態がしばらく続いた。10日ほどして呼びかけると、ココはなんとか目を動かし、尻尾をうれしそうに振った。奇跡的に命を取り留めたのだ。退院まで約1カ月、夫妻は交代で毎日その動物病院へ通ったという。

 後遺症の心配も杞憂(きゆう)に終わり、当初は怖がっていた散歩にも、今では喜んで出かけるようになった。

 「目の前で事故が起きましたから、今でも夢を見るほど。そんな目に遭わせてしまったので、その分、かわいがってやりたい。でも、ココには甘すぎると妻によく怒られるんです」

 そもそもココは、母親のベイビィから生まれた時、知り合いにもらわれるはずの犬だったという。

 「たまたまチワワを飼っていた友人が、家に犬を連れて遊びに来たのです。そのときに妊娠したらしい。1匹だけ授かったのでおなかも大きくならずに、直前まで分かりませんでした。生まれたことにまずびっくり。2匹飼うのは大変なので知り合いに譲ることになり、先方が日にちを決めて受け取りに来た日のことです。クルマに乗せようとしたら娘と妻が急に大反対。絶対に嫌だとね…」

 それ以来、家族の一員に加わったココ。誰にでも懐いて世話がかからないベイビィと少々わがままに育ったココは、いつでも家族の中心にある。

 現在、コンサートやディナーショーで活躍する真木さん。日々の練習は欠かせない。歌の稽古を始めると、必ず2匹の犬たちは耳を傾けるように真木さんに寄り添ってくるという。

 「ベイビィもココも、いつの間にか、私の歌が好きになったようです。歌はお客さまがあってのものです。生の歌声を聴いていただける場がある限り、歌い続けたい」と真木さん。

 東日本大震災の影響でキャンセルも多いというが、チャリティー公演も視野に入れて今日も家で歌声を磨く。そばにはベイビィとココがいるはずだ。

 (文・民井雅弘、写真・中西祥子)