ペット大好き!情報
好奇心旺盛のマルコ(手前)と、小山さんのそばを離れないルビン=都内の自宅で
好奇心旺盛のマルコ(手前)と、小山さんのそばを離れないルビン=都内の自宅で
プロフィール

 こやま・みちえ 1959年仙台市生まれ。東京芸大大学院修了。日本を代表するピアニストとして活躍中。コンサートなどの情報は 公式サイト で。

小山実稚恵さんとルビン、マルコ アメリカンショートヘア(オス 17、11歳)

老いて甘えん坊
なお、愛おしく

 ピアニストの小山実稚恵さんの愛猫は、「ルビン」と「マルコ」。2匹は同じブリーダーから来た猫で、姿はよく似ているが、性格はまるで違うのが面白い。

 年長のルビンは、20世紀の大ピアニスト、ルビンシュタインから命名。名に恥じない耳の持ち主のようで、小山さんの弾くショパン、特にマズルカがお気に入り。哀愁を帯びた旋律に、うっとりと聴きほれているという。

 一方のマルコの名は、冒険家のマルコ・ポーロから。「初めてうちに来たとき、あちこち見て回っていたので名付けました」と小山さん。

 好奇心旺盛でマイペースなマルコに、家族といるのが大好きなルビン。だが、そんな2匹は意外に仲が良く、マルコは先輩のルビンを兄のように慕っている。

 「最初、ルビンが1匹だけのときは、私たちが演奏会で留守にすると寂しがり、かわいそうでした。でも、マルコが来てから、ルビンの表情はすごく穏やかになり、留守中ものんびり。2匹になって、本当によかったんです」

 一方、冒険家マルコは、何かとお騒がせ猫だった。まず一夜の脱走事件。

 「ある夜、名古屋の演奏会から帰ったら、マルコがいない!! 窓から外に出てしまったようなんです」

 小山さんは夜中に住宅街を捜し回った。翌朝、隣家のガレージの隅でかたまっていたマルコを無事発見した。「よほど怖かったのか、3日くらい食欲がありませんでした」

 もう一つ、おふろで連続ジャンプ事件。

 小山さんがマルコをシャンプーしていたら、突然、浴槽のへりにジャンプ。だが、ずるっと滑って失敗。プライドが傷ついたのか、マルコは何度もジャンプを繰り返し、止まらない!! この騒ぎにルビンも駆けつけたが、マルコは「フー」と威嚇する始末。興奮はしばらくおさまらなかった。

 「それ以来、うちでは猫のシャンプーをするのはやめました」

 そんな2匹も高齢となり、最近は、取っ組み合って遊ぶ姿もみられなくなったが、小山さんは、2匹が年老いてなお、愛(いと)おしいという。

 「老いて子どもにかえるといいますが、最近のルビンは、ものをせがむ様子などがまるで子猫に戻ったようです。マルコも、だんだん心を開き、甘えるようになってきました。今朝は初めて、ふとんに入ってきたんですよ」

 6月25日には東京都渋谷区の「オーチャードホール」で、集大成となるコンサートを開く小山さん。円熟味を増すその演奏のように、猫たちとの関係も深まっていくようだ。(文・宮晶子、写真・戸田泰雅)